
三省堂(東京都千代田区)は「辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2025』」の選考会を開き、2025年を象徴する新語ベスト10を発表した。大賞に選ばれたのは「ビジュ」だった。
ビジュは、「ビジュアル」の略語で「見た目、外見」の意味。以前から使用例はあったが、今年、ダンスボーカルグループ「M!LK」の歌『イイじゃん』の歌詞から一気に広がりを見せ、投稿数の上位に入った。
ビジュの使い方は、アイドルの容姿だけでなく、子どもや年配の人、ペット、ラーメンにまで広がっている。多様な人やものが持つ表に見える美しさを指す言葉として、「誰にでも輝く魅力がある」という、これまで気付かれにくかった価値を示した点が評価され、大賞に選ばれた。
2位は「オールドメディア」。これはSNSなどの新しいメディアに対して、新聞・雑誌・放送といった従来型のメディアを指す言葉で、2024年ごろからSNSで批判的な意味を込めて使われるようになった。ネット検索やAIの普及で、国語辞典も「オールドメディア」と呼ばれる場面があるが、従来メディアならではの独自性や存在意義を示しつつ、現状を見直し変わっていく必要性を示した点が評価された。
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3位の「えっほえっほ」は、メンフクロウのネットミームが話題になり、多くの投稿が寄せられた言葉だ。絵本などでよく見かける掛け声だが、「えっさえっさ」「えっちらおっちら」といった類似の掛け声は辞書にある一方で、「えっほえっほ」は見出し語になっていない。荷物を運ぶときや、一生懸命走るときの掛け声として定着している点から、辞書に載せる必要があると判断されたという。
三省堂の「今年の新語」は、辞書に載せても問題ないと判断される新語を、バランスよく選ぶことを目的とした企画だ。「今年特に広まった言葉」が対象で、必ずしも今年生まれた語というわけではない。
選定にあたっては一般公募を実施し、応募はのべ2378通に上った。特定の分野やコミュニティーに偏らないよう、使う人の幅や使われる場面の広がり、使用頻度などを考慮したうえで、今後も定着していくと見込まれる日本語を辞書編集の専門家が選んでいる。
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