画像提供:マイナビニュースJR東日本は9日、線路設備等のメンテナンス作業・工事を日中時間帯に実施する取組みを首都圏で本格化させると発表した。これにともない、実施を検討している京浜東北線と横須賀線で、日中時間帯の運休を含む大規模な運転計画の変更が発生する見通しとなった。
同社は、夜間を中心に実施していたメンテナンス作業を日中へ移行することで、安全で安定した輸送に必要な実作業時間を確保しつつ、鉄道工事に従事する人員の負担軽減と働き方改革につなげる方針を示している。日中時間帯の作業・工事はこれまで、おもに地方ローカル線で順次実施してきたが、今後は首都圏での本格的な日中作業導入に向け、対象線区で列車を運休して線路を閉鎖し、効率的な作業時間を確保する計画を検討しているという。
京浜東北線は田端〜田町間を対象に、平日3日間連続で日中時間帯に線路を閉鎖する検討を進める。この間、同区間の京浜東北線の列車は山手線の線路を使用して運転する想定とした。日中時間帯に作業を集中的に行うことで、効率性と生産性、安全性が改善されるほか、夜間の騒音・振動等を減らすことで沿線環境の改善にもつながるとしている。
横須賀線は東京〜品川間のトンネル補修工事を対象に、昼夜を通した約28時間の集中工事を実施する方向で検討を進める。金曜日の終電から日曜日の初電まで列車を運休し、通常は夜間の3〜4時間に限られる作業時間を大幅に拡大する想定としており、工事期間の短縮をめざす。工事期間中、横須賀線は品川駅で横浜方面へ、総武快速線は東京駅で千葉方面へ折り返す運転形態を想定しているという。
JR東日本は、今回の取組みを「メンテナンス作業・工事は夜間に実施するもの」という現状を変えるための施策と位置づけ、同社管内全域を対象に順次検討を行い、実施線区・区間の拡大や頻度向上に取り組むとしている。(佐々木康弘)