ジェイズ・コーポレーションの梅本淳一社長とセントラルサーキットの井入宏之社長 12月9日、『J’S RACING』ブランドで世界中で人気を博している株式会社ジェイズ・コーポレーションは、兵庫県多可郡多可町にある株式会社セントラルサーキットの全株式取得に関する契約を締結したと発表した。
セントラルサーキットは1996年に開業。関西屈指のレーシングコースとしてこれまでさまざまなイベントが行われてきた。全長2.804kmのJAF公認サーキットとして四輪、二輪の多様なカテゴリーの走行会やレースイベントが開催されている。開業したばかりの1996年には、スーパーGTの前身であるJGTC全日本GT選手権のオールスター戦も開催された。
そんなセントラルサーキットは近年、より高度な安全基準、設備の刷新、多様化するユーザー層への対応が求められてきたというが、さらなる発展に向け、セントラルサーキットと約30年にわたる友好な関係を築き、モータースポーツ文化の発展にともに注力してきたジェイズ・コーポレーションがセントラルサーキットの全株式を取得。M&Aを行い、ジェイズ・コーポレーションがもつ国内外のサーキットで培ってきた技術力、開発力、安全思想をサーキット運営に融合させ、新たな体験価値を創出していく。
今回の全株式取得に際し、ジェイズ・コーポレーションでは今後の展望について下記の項目を挙げた。ファンにとっても注目すべきポイントも多い。
・イベントの拡充とカテゴリーの多様化初心者からプロフェッショナルまでの走行会、タイムアタック、耐久レースなど、幅広いユーザー層が参加できるイベントを強化
・ユーザー体験価値の向上安全性向上のための設備リニューアル、ピット・観戦環境の改善、EV/ハイブリッド車両向け設備の拡張など
・育成プログラム次代のモータースポーツ文化を創造する若手ドライバー育成プログラムを実施
・大幅なコース延伸計画の推進より幅広いカテゴリーの走行に対応するため、国際基準を視野に入れた大規模コース延伸計画を構想。将来的には、テストフィールドとしての価値を強化し、世界中のメーカーやファンが集うサーキットを目指す
今回の全株式取得に対し、2011年までスーパーGTにも参戦した経験ももつ井入宏之セントラルサーキット社長は「この度、セントラルサーキットは株式会社ジェイズ・コーポレーションによるM&Aを通じ、新たな運営体制へと移行することとなりました。まずは、これまで当サーキットを支えていただいたすべての皆様に、心より御礼申し上げます。セントラルサーキットは長年にわたり、関西を代表するモータースポーツフィールドとして、多くのドライバーの皆様にご利用いただいてまいりました。近年、より安全性の高い運営体制の構築、施設設備の刷新、そして次世代のモータースポーツ文化の創出が求められる中で、当社はサーキットの未来を見据えた大きな判断を行いました」とコメントした。
「株式会社ジェイズ・コーポレーションは、国内外で高い評価を得る技術力と情熱をもち、車両開発・モータースポーツ活動の両面で日本のチューニングシーンを牽引する企業です。また同社とは約30年近くに渡り友好な関係を築き、多くの困難を共に乗り越えモータースポーツ業界の繁栄に尽力して参りました。同社がこれまで培ってきた知見をサーキット運営に生かすことで、セントラルサーキットはこれまで以上に安心・安全で魅力ある走行環境を提供できるものと確信しております」
「今回のM&Aにより、セントラルサーキットは施設の改善、イベントの拡充、そしてユーザー体験の向上に向けた取り組みがさらに加速し、関西、ひいては日本のモータリゼーションの発展に大きく貢献していくものと期待しております。セントラルサーキットは、新体制のもとでさらなる飛躍を遂げてまいります。 引き続き、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
また自らもドライバーとしてさまざまなレースに出場した実績をもつジェイズ・コーポレーションの梅本淳一社長は「この度、当社、株式会社ジェイズ・コーポレーションは、兵庫県のセントラルサーキットをM&Aにより取得し、新たな運営体制としての歩みを開始する運びとなりました。まずは、長年にわたりサーキットを支えてこられた井入代表および関係者の皆様に深く敬意を表するとともに、今回の我々の決断にご理解いただいたことに感謝申し上げます」とコメントした。
「ジェイズ・レーシングは創業以来『パーツ開発は常にサーキットで培われる』という理念のもと、車両開発・レース活動・パーツ制作に取り組み、セントラルサーキットとともに歩み成長して参りました。セントラルサーキットは、これまで多くのドライバーとチームに愛されてきた歴史ある場所であり、井入代表が長年にわたり築き上げてこられた素晴らしい土台があります。その歴史と意思を尊重しつつ、我々がこれまで国内外のサーキットで培ってきた知見を融合させることで、セントラルサーキットを『次のフェーズ』へと進化させて参ります」
「セントラルサーキットの取得は、我々が次のステージへ進むための大きなチャレンジであり、私自身を成長させてくれたセントラルサーキット井入代表への恩返しでもあります」
[オートスポーツweb 2025年12月09日]