【阪神】近本光司が作る不滅の架け橋「いずれ僕は死ぬ。でも思いは続く」長嶋スピリットも継承

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2025年12月10日 05:01  日刊スポーツ

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「ゴールデンスピリット賞」を受賞し、トロフィーを手に笑顔を見せる阪神近本(撮影・たえ見朱実)

スピリットは永久に不滅だ。阪神近本光司外野手(31)が9日、都内で「第26回ゴールデンスピリット賞」の授賞式に臨んだ。現役選手の社会貢献活動を表彰する賞。第1回から選考委員会に入っていた長嶋茂雄さんが今年6月に他界。近本は子どもたちに明るい未来を託すという自らの夢、そしてミスターの志も引き継ぎ、生涯かけて活動を続けていくことを誓った。


   ◇   ◇   ◇


冒頭に行われた1分間の黙とう。近本は神妙に目を閉じ、先人たちの志に思いをはせた。プロ野球のみならず、日本社会を照らし続けた長嶋さん。「ミスタープロ野球」が深く関わってきた賞の受賞に「26年続いていますし、続けることってすごく難しい。ただ続けるだけじゃ意味がない。そういう思いだったりを理解した人が、しっかり次につないでいくことが大事なんじゃないかと思います」と使命を胸に刻んだ。


昨年4月、現役では珍しく自ら一般社団法人を立ち上げ、理事として地方創生、離島支援など積極的に活動。今季途中には中学生の教育支援活動もスタートした。活動日を試合のない月曜日に設定し、自らも足を運んで様子を見守った。活動は重荷とは思わず、むしろ成長の糧と考えている。野球へのモチベーションにもしている。


長嶋さんは「永久に不滅」と、巨人の繁栄を願ってやまなかった。尊敬する近本は「現役プロ野球選手」の身分で行動することに意義を感じる一方、目を向けるのは球界やスポーツ界の発展にとどまらない。


「いろいろな経験をした子どもが大人になって、子どものため、地域のため、日本のために何かできることないかなと。そう思う人が1人でも多くなってほしい。いずれ僕は死ぬ。長い歴史の中で見ると、たったの100年。でも思いは、すごく長く続くと思う。子どもたちが自分で考えて、切り開いて、次世代のために活動してくれたら、僕はもう、すごくうれしい。そういう関わり方をしたいです」。


円卓で隣り合ったNPBの榊原コミッショナーとも、野球界について話し合う姿があった。現在は出身の淡路島や兵庫県内を中心に活動しているが、まだ温めているプランもある。じっくりと一生かけて、不滅の架け橋を構築していく。【柏原誠】


◆ゴールデンスピリット賞 日本のプロ野球選手の社会貢献活動を表彰する賞で99年に制定。12球団からの推薦者から選考委員会で毎年受賞者1人を選出。今年は24人がエントリーした。選考委員はNPB榊原定征コミッショナーはじめ原辰徳氏、栗山英樹氏ら。受賞者にはトロフィーと100万円が贈呈。阪神では赤星憲広、藤川球児、岩田稔、矢野燿大の各氏に続く5人目の受賞で球団別最多。

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