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<現役ドラフト>◇9日
プロ野球の第4回現役ドラフトが9日、オンラインで行われ、阪神はヤクルトから「令和のブンブン丸」こと浜田太貴外野手(25)を指名した。来季のリーグ連覇と日本一奪還へ、野手層を厚くしたい球団の戦略に合致する長距離打者。今季固定しきれなかった、左翼争いを激しくする起爆剤として期待がかかる。阪神からは井上広大外野手(24)がロッテに指名された。1学年違いの右の長距離砲で、外野手同士。環境を変えて、ともに活躍してほしいという球団の親心がのぞいた。
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左翼争いを激しくさせる存在になるか。午後5時に発表された第4回現役ドラフトの結果。阪神の欄には初めて、野手の名前が並んでいた。
浜田は18年ドラフト4位で、明豊(大分)からヤクルトに入団した右の強打者だ。結果発表後、取材に応じた阪神竹内球団副本部長は「力強いスイング、平均打球速度も速いですし、もちろん長打も打てるというところを魅力に感じました」と獲得理由を話した。ヤクルトでは「ブンブン丸」の愛称で活躍した池山新監督をほうふつとさせる打撃で、期待も高かった。
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来季のリーグ連覇、そして日本一奪還へ、戦力補強を着々と続けている最中。「このオフは再三、野手の補強といいますか、層を厚くしたいというところがありました」と、方針を説明した。
抜群のチーム力で2年ぶりのリーグ優勝を達成した阪神だが、左翼と遊撃のポジションは最後まで固定しきれなかった。特に左翼は前川を始め、捕手登録の中川、内野手登録の熊谷、高寺らが代わる代わる守った。新たに加わる右打者が、ぴたりとはまるピースになるか。浜田について、同副本部長は「守備も全然悪いわけではない。ファームを見てましても、どのポジションも守ってました」と、持ち前の打力以外の働きにも期待。定位置をめぐる競争をあおり、チーム力のさらなる底上げを目指す。
阪神は過去3度の現役ドラフトで“成功”してきた。22年の大竹は1年目の23年に、12勝2敗でリーグ優勝、日本一に貢献。23年の漆原は、翌24年に中継ぎの一角として自己最多38試合に登板した。そして、昨年の畠はケガで出遅れたものの、今季9月上旬からポストシーズンにかけて戦力となった。浜田は「新天地で活躍することが皆さまへの恩返しになると思いますので、心機一転頑張ります」と決意を新たに。3人に続く出世となるか。
一方で、阪神からは井上がロッテに指名された。将来を期待された主砲候補に、竹内副本部長は「環境を変えることで頑張ってもらえるんじゃないかと思います。これも野球人生の1つなので、きっかけにしてもらえたら」と話した。年齢もポジションもタイプも似ている2人。それぞれの新天地で飛躍を狙う。【磯綾乃】
<浜田太貴(はまだ・たいき)>
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◆生まれ 2000年(平12)9月14日、北九州市出身
◆プロ通算 18年ドラフト4位でヤクルトに入団。7年間で255試合に出場し、打率2割1分2厘、18本塁打、53打点。今季は34試合で2割2分1厘、4本塁打、9打点。
◆甲子園で本塁打も 明豊では2年夏に甲子園出場。3回戦の神村学園戦では本塁打を放つなど15打数9安打、打率6割をマーク。
◆DeNAキラー 今季DeNA戦では26打席に立ち、3割6分4厘、2本塁打、5打点をマークした。
◆内川塾生 オフは例年、元ヤクルトの内川聖一氏(43)のもとで自主トレ。昨オフはボールを捉えるポイントなどについて助言を受け、今季に臨んだ。
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◆大谷級の打球速度 今季8月29日の広島戦での左本塁打では、打球速度180キロを計測した。
◆球界最重量級バット使用 今季は86・36センチ、920グラムの新バットを使用。昨季から1・27センチ長く、40グラム重い仕様。900グラムを切るバットが主流の中「振りすぎ」を制御する狙い。
◆愛称 周囲からの愛称は「ハマちゃん」
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