
冷たい塩対応から一転、オフィスで溺愛全開――。感情を0か100かに振り切る同期男子とのラブコメ漫画『ゼロかヒャクかの五十嵐くん』の第1話がXに投稿されている。
現在WEBコミックレーベル「pixivシルフ」で連載されている本作の作者は杏堂まいさん(@_mykey37)。魅力的な"ゼロヒャク男子"の着想はどこからきたのか、今後の展開も含めて話を聞いた。(小池直也)
――Xに上げてみた反響はいかがですか?
杏堂まい(以下、杏堂):最近は、一時期ほどXで漫画投稿が拡散されにくくなっていると聞いていましたが、その環境下でも、思った以上に読んでいただけたなと感じています。このポストを見て、コミックスを買ってくださった方もいたみたいで嬉しいです。
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――作品の着想について振り返っていただきたいです。
杏堂:最初は担当さんと「キャッチーな『〇〇男子』が登場する作品にしたいね」と話していました。具体的なキャラの発想のきっかけになったのは、私の個人的な「推し」です。その人は仕事ではちゃんとしているけど、私生活がポンコツでまさに「0か100か」みたいな人なんですよ。「キレイ好きが行き過ぎて、自宅に家具が何もも無い」といったような、極端なところもあって。
そこで何事も両極端な『ゼロヒャク男子』は面白くないですか?」と提案しました。ただ、「彼のポンコツな私生活を、世話焼きのヒロインがフォローする」といった内容になってしまうと、ヒロインが単なるお世話係になってしまうので、それは私が描きたい方向とは違うなと……。
そこで、なんでもはっきり白黒つける五十嵐くんに対して、優しさゆえに優柔不断で、八方美人な自分に悩む花森さんというキャラクターを当てることで、お互いが影響し合う「正反対な2人のラブコメ」という形になりました。
――五十嵐くんのキャラデザインはどのように?
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杏堂:少女漫画の王道男子は、サラサラストレートの髪型のキャラが多いように思いますが、五十嵐くんは、リアルな男性アイドルなどを参考に、センターパートのヘアスタイルで「今どきのカッコよさ」を目指しました。そんな流れで外見は考えて、性格は先ほどと同じく担当さんと詰めていきました。
それを踏まえた上で「相手はこんな女子がいいんじゃないか?」とヒロイン・花森さんのキャラが浮かび上がってきた感じです。彼女の自己肯定感が低い部分を五十嵐くんが埋めるような物語にしたいというイメージも当初からありましたね。
ただ「五十嵐」という名前が最後まで決まらなくて。でも担当さんが「0と100の間で五十嵐はどうですか?」と名案を出してくれたんです。
――ドキドキするような展開はどのように考えていますか?
杏堂:このキャラクター同士がどんな風に絡んでくれたら嬉しいかな?ということを考えたり、あとはカップルYouTuberなどの動画を観てアイデアを得たり、インプットもしています。自分でもニヤニヤできるような妄想も大事にしています。
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――スポーツ系アパレルメーカーを舞台にされた理由も気になります。
杏堂:ちょっと変わった会社だと、社内でのイベントごとが普通の会社とは違って面白いんじゃないかなと。学園ものみたいなお祭り感が出せるんですよね。私自身は会社員経験がないので、そういう会社に勤めている知人に話を聞きながら考えていきました。
――作画でこだわっている点はあれば聞きたいです。
杏堂:これまでは高校生の主人公を描くことが多かったんですよ。だから気を抜くと幼い雰囲気になってしまうので、そこは気を付けてます。
あとは五十嵐くんの目が三白眼みたいな感じなのですが、その絶妙なバランスを崩してしまうと急に顔が変わってしまうので、そこも意識してますね。
――キャラの衣装もアパレルメーカーだけあって、お洒落だと思いました。これについては?
杏堂:花森さんについては実際に1週間コーデを組み、着まわしている設定で描いてます。考えるのが大変だと思われそうですが、意外とこれをやった方が描きやすいんですよ。
一方の五十嵐くんは「服を選ぶ時間がもったいない」という性格なので、1パターンなんですよ。これは読者の方もだんだんと気付き始めていたと思います。
――単行本も発売になっていますが、手応えはあります?
杏堂:書店で平積みされてるのを見ましたが、嬉しかったですね。この第1巻が自分にとっての20冊目のコミックスなので感慨深かったです……。読者の方々の応援のおかげで、ありがたいことにここまでやらせてもらえてますね。
――今後、本作はどのように描いていきますか?
杏堂:1巻の最後にふたりがくっつくので2巻以降は、このふたりならではのイチャイチャを描いていければ。既にイメージは浮かんでいるので、担当さんともアイデアを相談しながら描き進めていきます。
(文・取材=小池直也)
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