観光船「KAZU I(カズワン)」=2022年4月(知床遊覧船ホームページより) 北海道・知床半島沖での観光船沈没事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社「知床遊覧船」社長、桂田精一被告(62)の公判が10日、釧路地裁(水越壮夫裁判長)であった。日本小型船舶検査機構(JCI)職員らが証人出廷し、沈没原因とされるハッチなどの検査について「問題はなかった」などと証言した。
当時、JCI札幌支部に配属され、事故3日前に船体検査を行った男性検査員は、当時の基準に基づいて目視でハッチを検査したと説明。「検査段階で違和感は感じていなかった」と話した。
JCI本部で船舶の検査規定を扱う部署にいた男性職員は、検査はJCIが定めた基準に適合しているかを確認するもので、「検査に通っただけで安全に航行できる能力があるとは言い切れない」と説明した。