21年の中日新聞杯はショウナンバルディが制した(21年12月撮影、ユーザー提供:ぷちちさん) 何度も施行時期や条件が変わりながら、近年は年末のハンデ重賞として定着している中日新聞杯。そんな波乱傾向のレースで、レース史上最高配当が飛び出したのが21年。8番人気→17番人気→10番人気で決まり、3連単が236万円馬券となった一戦を振り返る。
例年と同じように、この年も中日新聞杯は混戦模様だった。上位人気に支持されたのは、重賞初制覇を目指すアドマイヤビルゴ、連覇がかかるボッケリーニ、きさらぎ賞に続く2つ目のタイトルを狙うラーゴムなど。しかし、これらの馬は揃って馬券圏外に沈むこととなる。
ペースをつくったのは2番枠から飛び出したショウナンバルディだった。2番手にアフリカンゴールド、3番手にアイスバブル。伏兵が前を固め、前半1000mは61秒1のスローペースとなった。勝負所の3〜4コーナー、そろそろ後続勢が追い上げたいところだが、差は一向に詰まらない。いや、それどころか先行馬が後ろを引き離しそうな雰囲気だ。残り200mでも先頭がショウナンバルディ、2番手がアフリカンゴールドのまま。ゴール前でシゲルピンクダイヤやボッケリーニがジリジリと詰め寄ったが態勢は変わらず、典型的な「行った行った」の決着となったのだった。
そして払戻金が発表されると場内はどよめいた。1着のショウナンバルディが8番人気、2着のアフリカンゴールドが17番人気、3着のシゲルピンクダイヤが10番人気で、3連単は236万8380円の大万馬券に。これは今でもレース史上最高配当となっている。