Luupが“アルコール検問”実施 果たして実効性は……現地を見てきた

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2025年12月11日 07:31  ITmedia NEWS

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 電動キックボードのシェアリングサービスを手掛けるLuupが、飲酒運転対策を強化する。同社は12月9日、検問やスマートフォンアプリ上でのテストからなる飲酒運転の抑止策を発表し、12月中に検証を進める方針も示した。このうち検問については、9日に東京都渋谷区でメディア向けのデモンストレーションも披露した。具体的にどのような仕組みで危険運転を抑えていくのか。


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 Luupが同日に発表した飲酒運転対策は2つの施策からなる。1つ目は人力による検問だ。Luupのスタッフや警備員がポートに立ち、モビリティーを利用しようとする人に一般的な呼気検査を求め、アルコールが検出されなかった人のみロックを解除する。9日のデモ時点では、検査に通った人にのみ、ロック解除用のQRコードをスマートフォンで読み込んでもらう形を採用していた。


 2つ目はスマートフォンアプリ上で実施する「反応テスト」だ。テストは3×3のマス目に一瞬だけ表示されるマークの中から、事前に指定されたマークのみをタップするミニゲームのようなもの。飲酒や体調不良で反応が鈍っているとテストをパスしにくいという。


 これをクリアできないと、モビリティーのロックが解除できない仕組みだ。発表時点では、何度か再挑戦が可能なものの、規定回数を超えるとしばらくテストを受けられないようになっている。


 このうち検問については、9日に東京都渋谷区のポート各所で実地検証を開始。実施場所や時間を伏せた抜き打ちでの検問を12月いっぱい行い、飲酒運転を抑止する狙いだ。反応テストは12月中旬から、渋谷の繁華街でモビリティーを使うユーザーに展開するという。


 9日のメディア向けデモでは、渋谷区のポート1カ所に警備員やスタッフを配置。実際に電動キックボードなどを利用しようとするユーザーに対し、検問を行う様子を報道陣に公開した。当日は数人のユーザーが訪れ、呼気検査に対応。中には検査に引っ掛かりサービスを利用できなかった人もちらほらと見られた。


●これって実効性あるの? CEOに疑問をぶつけた


 ここで気になるのが、2つの施策が飲酒運転の防止という役割を十分に果たせるかどうかだ。検問は全ポートで24時間365日行うわけではなく、反応テストも酩酊している人を正確に検出する仕組みではない。


 実際に検問を見学した身からしても、警備員のいない他のポートで借りてしまえばいいのではと思わざるを得なかった。反応テストを組み合わせたとしても、抜本的な対策には至らないのでは……というのが正直な感想だ。


 デモに同席した同社の岡井大輝CEOに疑問をぶつけたところ、あくまで現時点では検証段階のため、対策が完璧でないことは承知との回答が得られた。今回の施策は、主に忘年会シーズンに向けた当座の対策と抜本的な対策に向けたデータ収集を兼ねており、得られた知見を基により効果的な施策を模索していくと強調する。


 「抜本的な対策を検討するには、繁華街のポートでどれくらいの人がいつ飲酒運転をする可能性があるか、その動機や比率を知る必要がある。実験の結果9割が飲酒運転を使用としていることが分かれば、夜間のサービス停止や、それによって影響を受ける人の被害をどう補填するかが必要になる。逆に1割にとどまるなら、一部の飲酒運転をどう見抜くかという対策が必要になり、その検証から始める必要があった」(岡井CEO)


 そのため検証の結果に応じて、ポートに配置する人員の最適化や無人化や反応テストの拡充や、それ以外の施策を検討する可能性もあるという。岡井CEOは対策にコストもかかるとしつつ「Luupの努力が正しければ、個人所有の乗り物に対し、シェアリングサービスの方が違反や事故が少ない状態に持っていけると思っている。そこまでいけば、Luupがインフラとして社会に認めてもらえるようになるのでは」との展望を示した。



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