写真 2025Jリーグアウォーズが11日、横浜アリーナで行われた。鹿島アントラーズが9年ぶり9度目のJ1優勝を果たした今シーズン。熱戦が繰り広げられた1年を締めくくるイベントとなった。
各賞の受賞者が発表される中、優秀監督には勝ち点差1で2位に終わった柏レイソルのリカルド・ロドリゲス監督が選出された。
2024シーズンは降格争いにも巻き込まれていた柏だったが、リカルド監督が就任した今シーズンは安定して上位を争い続け、最終節まで鹿島との優勝争いが繰り広げられたものの、あと一歩及ばずに準優勝に終わった。
優秀監督賞を受賞したリカルド監督は「今回このような賞をいただき、本当に光栄です。今回の賞は、個人に与えられた賞という形ですが、決して私はそうは思っていません。我々柏レイソルというクラブに与えられた、団体で獲った賞だと思っています。社長、強化部、選手、スタッフ、そしてサポーターのみなさん、全員が一致団結して獲った賞だと思っています」と受賞に際してコメント。優勝した鹿島には「この場を借りて優勝した鹿島アントラーズさんにおめでとうと伝えたいと思います」としながらも、「どこかで勝ち点を取りこぼしてくれるかなと思いましたが、そうもいかず、我々も連勝しましたがあと一歩届かず2位になったことは残念ですが、素晴らしいシーズンだったと評価しています」と悔しさも滲ませた。
そのリカルド監督は、会場でもある横浜にまつわるエピソードを語った。
「最後に、ここ横浜だからこそ、私にとって重要なある人のことをコメントさせてもらいたいと思います。彼の名は、ハビエル・アスカルゴルタです。ここ横浜にあるマリノスで指揮を執った監督で。残念ながら先月彼は亡くなりました」
アルカルゴルタ氏はスペイン人指揮官で、エスパニョールやレアル・バジャドリード、セビージャなどを指揮。その後、ボリビア代表、チリ代表と南米の代表チームを指揮すると、1997年には横浜マリノスの監督に就任。城彰二や中村俊輔などを指導したが1998年に退任していた。
リカルド監督は「彼とはメキシコで立ち上げた、レアル・マドリードのスクールで共に仕事をしたことがあります。その時私は初めて日本ということを知り、彼からJリーグのことを多く学びました。彼から多くのことを学んだゆえに、監督として日々精進できていると思っています」とコメント。2000年代にレアル・マドリードのアカデミー長を2年間務めていたアスカルゴルタ氏と共に仕事をしたことがきっかけで、Jリーグにやってきていると明かした。
なお、アスカルゴルタ氏はおよそ10年間の心臓疾患に苦しみ、2025年11月14日に74歳で死去。リカルド監督は「この横浜で、皆さんと共に彼の冥福を祈りたいと思います」と、メッセージを締め括った。