
たしかに3年前は、アオイもユウナも「サッカー選手になりたい」と夢を語っていました。けれど子どもなんて、現実の厳しさを知らずに簡単に「プロになりたい」なんて言うものだと思います。夢を叶えるには才能だって必要でしょう。
リョウタにとって、私の言葉は「何もしないで、ただ楽な方に逃げたい言い訳」としか聞こえないようです。私は親としてどう接するかを話し合いたいのに……。リョウタは何も受け入れず、一方的に話を打ち切ってしまいました。
リョウタの言うことも一理あるでしょう。そうやって一流の人は這いあがっていくんだと思います。かといって、すべての人がリョウタが理想とする努力ができるとはかぎりません。サッカーにかぎらず自分が努力できる、努力をしたいと思えるフィールドを見つけることが人生なのではないでしょうか。
リョウタと私とでは、子どもたちのサッカーに対する考え方が大きく違ってしまっています。ただ私は元夫との離婚から、結婚とは「価値観のすり合わせ」だということを身をもって学んでいます。リョウタが価値観を変えないのであれば、私がその価値観に近づくしかないのかもしれません。
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