写真 みなさんこんにちは! ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。
物価上昇で服の値段も高騰している今、手軽に安くて質の良い服を買える場所が限られてしまって残念ですよね。そんなお買い物に悩む今、ジワジワと人気を集めつつあるのが「服のタカハシ」。関東圏を中心に店舗展開をしており、まだ認知度はそこまでありませんがこれから店舗拡大が期待される、まさにポストしまむらといったアパレルショップです。
そこで今回は、「服のタカハシ」港北センター南店にて買い物レポをいたします。
◆しまむらに似てるけど、業態が全然違う
服のタカハシは、神奈川県を中心に関東圏で実店舗を展開するオフプライスストアです。オフプライスストアとは、企業やブランドの余剰在庫や売れ残り商品を買い取り、大幅な低価格で販売する小売業の形態のことを指します。
価格帯の安さや、店舗の内装、動線展開などは、「ファッションセンターしまむら」を彷彿とさせます。しかし、しまむらは衣料品チェーンストアであるのに対し、服のタカハシはオフプライスストアと業態そのものが大きく異なっています。そのため、服のタカハシには独自のブランド展開はありませんが、逆に有名ブランドの掘り出しアイテムが驚くほどの価格で手に入るというお宝探し感を楽しめるのが最大の魅力です。
◆服のタカハシに行ってみた!
筆者が今回訪れた店舗は、港北センター南店。服のタカハシは神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県、山梨県の一都五県で中規模展開しており、難点はアクセスがあまり良くないといった点です。
東京都にも店舗はありますが、いずれも八王子や多摩市などの西東京がメイン。都心部では見たことがない店舗だからこそ、認知度はしまむらのように広まりにくいのかもしれませんね。その中でも港北センター南店は、横浜市営地下鉄「センター南」駅から徒歩6分程度と訪れやすかったのでこちらに行くことにしました。
店舗入り口から服、服、服の山! 値下げの札が大きくポップアップされていて、お宝ハンターの血が騒ぎそうな店構えです。基本的に店舗の入り口には目玉商品が陳列されていて、奥に進むにつれ、メンズ服・キッズ服・服飾小物やインテリアといったアイテムが展開されています。
◆数百円から1000円前後の服も豊富
正直にお伝えするとオフプライスストアというだけであって、確かにワゴンセールに積まれているような安そうな服も多かったです。しかし、その中の1〜2割は「えっ! かわいい!」といったトレンド感のある商品や、高見えしそうなアイテムが1000円前後で売っていました。基本的にしまむらよりも安いですね。
また、ブランド品アウトレットコーナーでは、見覚えのあるアパレルブランドタグもそのままついています。中には、元の販売価格をそのまま表示したものもあるのでどれだけおトクであるかを実感できる商品もたくさんありました。
◆スタイリストである筆者の購入品は
来店すること2時間。くまなく、商品をしらみつぶしにチェックして吟味に吟味を重ねて、3点のアイテムを購入しました。購入品は、緑のトップス599円、ギャザーキャミワンピース999円、リブニットワンピース599円、この3点合わせても2197円(各・税抜)。消費税を入れても2500円以下でワンピース2点とトップス1点を買うことができました! どれも、その値段には見えないクオリティなのでかなりおトクに買えたという満足感があります。
実際に着てみても、変に服が安っぽく見えるような様子はありません。もちろん、中には安見えする商品もあるので見極めが重要ですが、試着して安っぽさをあまり感じなければ買って損はなさそうですね。
とはいえ、全身のコーデをタカハシで完結させると安っぽく見えそうなので、手持ちのアイテムと組み合わせるなどして上品さ・上質さのバランスを整えていきたいところです。
◆おすすめのカテゴリと、要注意のカテゴリ
あくまで個人的な意見にはなりますが、買って失敗が少なそうなのは「ワンピース」「デニム」「ミニスカート」。一方で「トップス」はピンキリでした。シンプルで発色の綺麗なものならOKですが、ドッキング素材や変形デザインは安っぽさが出るので、子ども服のようなチープさの元になります。
気をつけたほうが良いのは「アウター」と「パンツ」。どちらも、形とシルエットが命取りとなるアイテムなだけに、メーカー処分品ともなると安っぽいアイテムが多くなります。とくにアウターの場合は肩周りの縫製、きちんと感。生地のヨレやツレがないかをチェックしてから購入しましょう。
パンツは、股ぐりの縫製が美しくないものや、お尻のライン、太ももから足先にかけてのシルエットが悪いものが多いです。その点、トレンドに左右されることのないスタンダードなシルエット設計が基本なので、失敗はしにくいですね(商品のデザインにもよりますが)。なので、パンツアイテムは手を出さずに、取り入れるとしてもデニムアイテムを中心に狙うと良いかもしれません。
◆買い物ついでに立ち寄るのも◎
結論からいうと、歩いて回るだけでとても楽しいお店でした! 昨今にはない、掘り出し物アイテムをバイヤーかのごとく見極めていく時間も楽しくあっという間に2時間も滞在してしまいました。
ただし、こんな服が欲しい! と、目的を持って訪れる場所には向いていないなという印象です。服のタカハシはまさに服との一期一会の場所。その日の出合いで、おしゃれなアイテムが見つかれば勝ち! といったものですので、何か買いたいものの目的を持って訪れると結局見つからず、徒労に終わることも。
個人的には何か別のお出かけの用事で近くに立ち寄った際に、ついでにフラッと訪れるほうが良い服と出会えそうだと感じました。お近くに店舗があるかた、まだ訪れたことがない方は、一度は立ち寄ってみると楽しいかもしれません。
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105