
陸上男子1万メートル日本人学生歴代トップの東農大エース・前田和摩(3年=報徳学園)が、2年ぶりの箱根駅伝で返り咲く。
13日、チームの会見に出席。今季の公式レースは1万メートルとハーフマラソンのわずか2本だった。5月の関東インカレ1万メートルは日本人7番手の個人全体12位。昨年5月の日本選手権で3位となった自己ベスト27分21秒52に遠く及ばなかった。
1年時に日本人トップとなった実績を持つ10月の箱根予選会(ハーフ)では先頭集団で粘って日本人6番手の個人14位でチーム6位の本戦切符に貢献した。
予選会前は小さな故障が重なるなどスピードや強度の高い練習ができず、万全な状態ではなかった。そこから約2カ月がたち、現在のコンディションは「ここでは言えない」としたが、「最低限チームの力になれる試合に集中してレースに出ていた」と振り返った。
前々回は復路7区でデビューも区間13位。力を出し切れなかった。さらに昨シーズンは病気やケガに苦しみ、箱根予選会は欠場。チームは1秒差に泣き、シード権確保の10位に1歩届かない総合11位に終わった。
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見事、雪辱した今年の予選会後、前田は本戦に向けて休息を徹底。チーム内での感染症防止など体調管理にも目を光らせてきた。
小指徹監督(61)は「正直に言うと、トレーニングはまだできたり、できないような点もある」と心配をするが、上級生の自覚も芽生えた前田には「練習以上に試合で力を発揮できる。ポテンシャルの高さは1年時から驚いている」と変わらず、厚い信頼を寄せる。
希望区間は「(山下りの)6区以外なら対応可能で強いて言うなら2区」と、エース区間を挙げた。
松葉緑のエースは果たして、箱根のドラマに何を刻むのか。「シード権獲得に1秒でも貢献できるよう、前でタスキをつなげたい」。16年ぶりのシード奪還に向けて意気込んだ。【泉光太郎】
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