8kgの食材用意もテレビ番組から“連絡なし”の札幌ラーメン店、「責めるつもりはない」語った投稿の真意

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2025年12月18日 11:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

『銀波露札幌手稲店』(公式Xより)

 12月14日、北海道札幌市にあるラーメン店『銀波露 札幌手稲店』の公式Xで営業終了後に投稿されたポストが話題に。本投稿は《今日予定していた全国テレビのデカ盛りの撮影が連絡無しで閉店時間を迎えました》と記されており、12月16日時点で、2000万回以上の表示を獲得し、大いに拡散された。

全国テレビがラーメン店取材をドタキャン

「テレビ局から連絡なしで取材をドタキャンされた形になり、《2〜8kgのラーメンをお願いすると言われていてマックスの8kgの材料を用意していました》とのこと。このラーメン店は、フードロスを避けるためにも、《明日には全て使い切りたいのでお時間があれば銀波露手稲店でお食事していただけませんか?》と来客を呼び掛けていました。

 この投稿には《コンプラ違反です、どこのテレビ局か公表すべきです》など、該当のテレビ局に対しての批判コメントが溢れかえっている状況です」(フードライター、以下同)

 翌日、このラーメン店が再びXを更新。《オープン前から並んでくださったお客様、たくさんお越しくださったお客様のおかげでロスがなく全て使い切る事ができました!》と綴った。

「店舗で抱えていた麺がなくなり、一時は営業停止になるほど、たくさんのお客さんが押し寄せたようです。同日には、《テレビ局、番組名を聞かれておりますがこちら側が不利になるのを考えて全国テレビと表記しています!》と投稿し、店舗側の意向を表明。

 店舗側は大事にしないという姿勢ですが、フードロスの観点や、取材をお願いしている側の対応として、連絡なしのキャンセルはあり得ません。テレビ局や番組制作陣、担当者には反省してもらいたいですね」

 ネット上ではドタキャンした番組に関して、テレビ東京系で放送されている『デカ盛りハンター』ではないかという指摘が上がっていたが、テレビ東京に問い合わせてみると、

「デカ盛りハンターのスタッフが当該店に取材を依頼したり、キャンセルしたりした事実はありません」

 とのことだった。

 その後、テレビ局側から店舗に対し、謝罪等の連絡はあったのだろうか。『銀波露 札幌手稲店』に電話をかけてみると、店長が快く取材に応じてくれた。

「番組関係の方とは、ロケの日程に関するやり取りが最後でその後は連絡がないんですよね…。

 ただ、15日は本当にたくさんのお客様が来店してくださって、たくさんの励ましのお電話もありました。中には“テレビ局に抗議するから”と寄り添ってくださる方もいましたね。謝ってもらいたいというわけではないですが、キャンセルのご連絡はほしかったです」

店長が語った投稿の真意

 しかしながら、テレビ局を責めようとは思っていないという。

「テレビ局を責めようとして投稿したわけではないんです。店舗に余っていた材料を使い切るためにも、いつものようにフォロワーさんに呼びかけた投稿が、結果的に日本中に回ってしまい誤解を生む形に…。

 担当者の方を公表しようという気はさらさらないですし、年末の時期に番組制作が大変お忙しい中で、連絡をし忘れてしまったという単純なことなんだと思います。誰だって忘れることはありますし、たった一度のミスでその方の人生を潰してしまうことは避けたいです。

 今の時代、晒すことが全てではないと思いますし、投稿が勘違いを生んでしまったという点ではこちら側も反省すべき点はあるなと感じています」(前出・『銀波露 札幌手稲店』店長、以下同)

 数多くの方が足を運んだ結果、売り上げは通常の5倍ほどになったという。

「昨日1日中、朝から夜まで、本当にたくさんのお客様が来てくださって、こんなに人の温かさを実感する日は初めてで、営業中はうるっとしてしまいましたね。最初はテレビ番組が来なかったという悲しみとフードロスの観点からマイナスな感情を抱いていましたが、“困っています”と伝えただけで、あんなにも手を差し伸べてくれるお客様がいるんだと感慨深くなりました。

 最初の落ち込みがどうでもいいと思えるほどの一日に出来事になりましたね。本当に心が温かい方がたくさん来てくださって感謝しかありません。お騒がせしてしまったことは申し訳ありませんが、我々にとっては大変良い経験になりましたね」

 思わぬ形で注目を集めた『銀波露 札幌手稲店』。取材の中で、何度も“ありがたい”と話していた店長や従業員の普段の営業態度、サービス精神がお客さんの心を動かしたのだろう。

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