リアライズシリウス(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GI・芝1600m)が行われます。
ここでは14年以降の阪神芝1600mで開催された朝日杯FS(計10レース)を対象に傾向を探っていきます。
データ対象の10レースでは関西馬が7勝2着9回3着、関東馬が3勝2着1回3着3回となっています。データ対象の朝日杯FSが行われる阪神は関西圏の競馬場。関東馬のほとんどは美浦から長い時間をかけて輸送されます。キャリアの浅い2歳馬にとって輸送は想像以上の負担になるのでしょう。
関西馬も栗東から阪神までの輸送はありますが、関東馬と比べると輸送時間は短いですし、その分負担も少なくなります。関西馬は輸送による疲れが少ない状態でレースを迎えられるため、関東馬よりも結果が出ていると言えそうです。
今年の朝日杯FSに出走する関東馬は、すべて最終追い切りを美浦で消化していますので、追い切り後に阪神まで輸送されてレースへ挑むことになります。長距離輸送が負担となり本来の力を出し切れないという可能性も、頭の片隅に入れて予想は組み立てた方がよさそうです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
関東馬で前走上がり3位以下
[0-0-0-15]複勝率0%
該当馬:リアライズシリウス
(過去の該当馬:23年シュトラウス2番人気10着)
※特に言及のない限り、データは14年以降の阪神芝1600mで開催された朝日杯FS(計10レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるリアライズシリウスが該当しました。
データ対象の10レースでの関東馬を見ると、馬券に絡んだのは前走で上がり2位以内をマークしていた馬のみとなっています。
阪神外回りは直線距離が長くなっていますので、瞬発力が求められるコースと言えます。長距離輸送の負担がある関東馬でも、前走で末脚の威力を示している馬であれば、好走する可能性は残されると言えそうです。
該当馬に挙げたリアライズシリウスは前走の新潟2歳Sを4馬身差で快勝していますが、その時の上がりは5位。スローの2番手で運べたことが大きかったように思います。この時の2着以下の馬は次走以降も好走しているケースが多いものの、ほとんどが中団や後方にいて差し届かなかった馬。このことからも、前走は展開面が結果に大きな影響を与えたと言えるでしょう。
さらにリアライズシリウスは、前走や新馬戦がスローペース。これまでタフなレースを経験していないことも不安材料のひとつと言えます。今回はGIでメンバーレベルが高くなりますし、これまでに経験のない厳しいペースで力を出し切れないというシーンも十分に考えられます。
キャリアの浅い2歳馬はそれまでの経験が重要になってきますし、リアライズシリウスはその点においても不安が残ります。人気で妙味がないのであれば割り引いて考えるのもひとつの手ではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。