【ソフトバンク】先発転向の尾形崇斗「攻め続ける投球を続けていきたい」目指すは千賀ロード

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2025年12月20日 19:25  日刊スポーツ

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トークショーを行ったソフトバンク尾形(撮影・岩下翔太)

目指すは千賀ロード! ソフトバンク尾形崇斗投手(26)が20日、福岡市内でトークショーに参加。今季はリリーフで自己最多38試合に登板したが、来季は直訴した先発でリーグ3連覇と2年連続の日本一に貢献する意気込みだ。ホークスでは摂津正、千賀滉大、リバン・モイネロらが中継ぎから先発に転向して大成功。理想の投手像にメジャーでも奮闘中のメッツ千賀を挙げ、サクセスストーリーを思い描いた。


  ◇  ◇  ◇


マイクを握る尾形の手に力が入った。トークショー中盤。MCに「先発転向」の経緯を問われた時だった。集まったファンの前で、本音を明かした。


「試合を支配する投手が一番かっこいいと思うので。甘くないと思っていますし、簡単にできるものでもない。すごく難しいことだと思うんですけど、自分もこういう投球をしたい」


今季はシーズンの大半を1軍で過ごし、リリーフでキャリアハイの38試合に登板。試合序盤はブルペンで戦況を見守っていた中で、スターターへの思いが湧き上がってきた。「試合の最初から9回まで携わることは、ピッチャー冥利(みょうり)に尽きる。みんながやりたいことの1つだと思う」。特に日本ハム伊藤、西武今井の姿が印象深いという。気迫を全面に出し、闘志をたぎらせるマウンドさばきに心を奪われた。


「見ていても、他の先発とは違うじゃないですか。ただのボールじゃない。精度とか、気持ちとかもそうですし。そこを感じてもらえる投手になりたいので」


意思を伝えた。秋季練習期間中だ。タマスタ筑後のミーティングルームで倉野投手コーチと面談し、来季の先発勝負を直訴。球団で摂津、千賀、モイネロらが中継ぎから先発に転向し、大投手になった成功例がある。尾形は理想の投手に千賀を挙げ「三振を取って投げ勝つ。要所はしっかり締め、攻め続ける投球を続けていきたい」。偉大な先輩の背中を目標に、新たなサクセスストーリーを描いた。


今オフは“投てきトレ”を導入する。自主トレ先の関東近郊で「いろんなアスリートの競技を学んでいく。そこでの気づきが野球につながれば」との思いから陸上競技の「やり投げ」に挑戦。経験者の指導を受けながら実際に本物のやりを投げる予定だ。異種競技からヒントをつかみ、先発転向シーズンへつなげる。「1軍の舞台できれいなマウンドに立ったことが1回もないので。まずはそこをクリアできるように」。チームのリーグ3連覇と2年連続の日本一へ、先発で貢献していく。【佐藤究】


<ソフトバンクの来季先発候補>


○…モイネロ


○…大関


○…上沢


△…大津


△…松本晴


△…前田純


△…前田悠


△…スチュワート


△…徐若熙


△…尾形


△…上茶谷


?…有原


?…東浜


○…有力、△…候補、?…去就未定


◆ホークスで中継ぎから先発転向した主な成功例


◆摂津 08年ドラフト5位入団し、1年目の09年は救援でリーグ最多の70試合に登板して最優秀中継ぎ、新人王を獲得した。11年に先発転向するといきなり14勝。12年は17勝で最多勝と最高勝率、沢村賞も受賞した。13年は15勝、14、15年は10勝。5年連続で2桁勝利をマークした。


◆千賀 10年育成ドラフト4位で入団し、12年に支配下登録。13、14年はリリーフで15年から本格的に先発転向。16年から7年連続2桁勝利を挙げた。育成初の最多勝、最優秀防御率、最多奪三振など多くのタイトルを獲得。22年オフにメッツへ移籍し、育成出身初の大リーガーとして活躍中。


◆モイネロ 17年5月に育成で入団し、同年6月に支配下昇格。18〜23年までは中継ぎで抑えも任され、20年には最優秀中継ぎ投手を受賞。24年から先発に転向し、11勝5敗、防御率1・88で最優秀防御率。今季は12勝3敗、同1・46で2年連続の最優秀防御率。パ・リーグMVPに輝いた。

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