【阪神】大竹耕太郎 ココヘッド山頂で誓った「最多勝」雨出発→1048段登った先は晴れ/潜入

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2025年12月21日 05:01  日刊スポーツ

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ココヘッド・トレイルを登り切り、腰掛けて記念撮影する阪神大竹(撮影・磯綾乃)

【ホノルル(米ハワイ州)19日(日本時間20日)=磯綾乃】阪神大竹耕太郎投手(30)が、優勝旅行4日目、ハワイ名物の「ココヘッド・トレイル」に挑戦した。まるで直角のような急傾斜がついた1048段の階段ルートを踏破。常夏の島の景色に癒やされながら足腰を鍛えた。登頂前は土砂降りの雨に見舞われたが、頂上で見たのは吉兆の太陽…。来季は最多勝を誓う左腕の“ココヘッドトレ”に潜入した。


   ◇   ◇   ◇


ワイキキから車で約20分。壮大な「ココヘッド」に到着した直後、突然の激しいスコールに見舞われた。「さすが雨男…」。そんな声がどこからともなく聞こえる。23年に「大雨降太郎」グッズも発売された大竹も苦笑いを通り越し、爆笑するほどの豪雨。でもこれが、吉兆の始まりだった。


「自然からもらえるエネルギー的なものはあると思う」と登頂を心待ちにしていた左腕。記者もすぐに背中を追ったが、開始3分で心が折れた。足腰に負荷がかかる絶妙な高さの階段が、はるか先まで続く。傾斜が急な上、悪天候で足場は悪く、もしスリップしたら…。5回ほど断念しかけたが、ぶれずに進む大竹の背中を見ると、自然と心が奮い立った。


息も絶え絶えの報道陣をよそに、大竹は突然ダッシュで階段を駆け上がる。かと思えば、今度は4足歩行で登っていく。「傾斜がすごすぎて。ウエート(トレーニング)しているみたいな感覚」。体を鍛えながらも、ハワイの自然を五感で楽しんでいるようだった。


スタートから約40分。1048段の階段を上り切り、ついに山頂へ到着。「思っていたより、倍ぐらいキツかった。その分達成感があった」。見下ろせば広がる絶景に、大竹もカメラを構える。すると、もやがかった空から少しずつ、晴れ間が見えてきた。青い空も海も、さらに美しく輝いた。みんな疲れを一瞬、忘れていた。


6年前と同じだ。19年のソフトバンクの優勝旅行で、大竹はダイヤモンドヘッドを登頂。「登った時は、めちゃくちゃ雨降ったんですよ。もう『全然、太陽がどこか分からん』みたいな。でも、3分後ぐらいに急に晴れだして、虹までかかって。なんか縁起いいなと」。ハワイは大竹にいつも、パワーを与える場所なのかもしれない。


山の頂に立ち、来季へトップの誓いを立てた。「一番は最多勝ですかね。勝たないと、というよりは勝てる。普通に、ちゃんとやれば。今年にしてもこの登板数(16試合)で9勝なので、あと6つ。夢のような数字というよりは普通に」。キャリアハイの15勝でタイトルを。この日見た太陽が誓いを後押しする。


◆ココヘッド・トレイル オアフ島東部に位置する火山性の丘陵地「ココヘッド」にある絶景で人気のハイキングコース。かつて軍用物資を運んだトロッコの、線路跡の枕木を階段のように使っている。全長は約1・3キロメートルだが1048段もの急な傾斜を登り、上級者向けとされる。大竹は「ダイヤモンドヘッドの方がなだらか。景色の衝撃感は今日の方がすごかった」と満喫していた。

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