なぜコンビニが“ゲーセン化”しているのか ファミマ、クレーンゲームなど5000店舗に拡大

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2025年12月23日 05:10  ITmedia ビジネスオンライン

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クレーンゲームの設置店舗を拡大

 ファミリーマートは、一部店舗で導入しているクレーンゲームなどのゲーム機の設置を、5000店舗に拡大する。国内店舗の約3分の1にあたる規模で、インバウンドを含めた新たな需要の獲得を狙う。


【画像】ポケモンのゲームマシン「ポケモンフレンダ」を設置している店舗も


 ファミマによると、インバウンド需要の拡大やライフスタイルの多様化を背景に、消費行動は「モノを買う」だけでなく、「推し活」「体験」「参加」といった“コト消費”を重視する傾向が強まっているという。こうした変化に応えるため、同社は来店そのものを楽しめる施策に力を入れる。


 ゲーム機の設置にあたっては、イートインスペースや雑誌コーナーを縮小し、空いたスペースを活用する。クレーンゲームのほか、カプセルトイや、実験的にポケモンのゲームマシン「ポケモンフレンダ」を設置している店舗もある。


 現在は外国人観光客が多い立地や、パーキングエリア、商業地、ファミリー層が多い地域の店舗を中心に約1600店舗で導入している。主な利用者は20〜40代の女性や子ども連れのファミリー層、外国人観光客だ。


 クレーンゲームを目的に来店する客もじわじわ増えているという。カップルや友人同士で楽しむだけでなく、ファミリー層の「近所で子どもを遊ばせられる場所」としても利用されているそうだ。一律100円の価格設定で、世界的に人気のキャラクターを使った景品を多く用意している。


 担当者によると、お金を入れれば必ず商品が手に入るカプセルトイと異なり、クレーンゲームは「取れるか、取れないか」という過程そのものを楽しめる点にエンターテーメント性があるという。


 日本国内におけるクレーンゲームを含むプライスゲーム市場は、前年度比108%の3643億円と拡大傾向にある(日本アミューズメント産業協会調べ)。近年の“コト消費”ニーズを追い風に、「遊べるコンビニ」としてエンタメ性を高めていく方針だ。


●ローソンもクレーンゲームを1300店舗に展開


 ローソンでも、2024年からクレーンゲームの本格展開を始め、現在は約1300店舗にまで拡大している。


 アミューズメント施設がない地域や、外国人観光客が多い観光地の店舗で、来店動機や集客につなげる狙いで2022年に初めて設置した。本格導入以降は目標を3割上回る売り上げとなっており、特に外国人観光客が多いエリアが好調だという。


 一般的なゲームセンターとの差別化を図り、継続的な利用を促すため、2025年7月には人気配信者とコラボしたオリジナルのクリアマルチケースを約100店舗で展開した。同景品を目的に来店した客も多く、通常と比べて約4倍の売り上げを記録した。


 11月13日からは、ローソンオリジナル景品として「からあげクン ミニぬいぐるみマスコット」を展開。通常の景品と比べ、発売から約1カ月間で売り上げが2倍以上となるなど好評だ。2026年1月以降もオリジナル景品を展開する予定だ。



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  • ~ファミマはヨドバシコムの支払いで頻繁に利用するが、コレは気付かなかったな…。
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