【阪神】40分の取材に見えたデュプランティエのチーム愛「一生野球はできない」/取材後記

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2025年12月25日 06:46  日刊スポーツ

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6月24日、笑顔を見せる阪神ジョン・デュプランティエ

今季限りで阪神を退団したジョン・デュプランティエ投手(31)が、ともに戦った仲間たちへ感謝の言葉を贈った。来季からはDeNA入りが決定的。ユニホームは変われど、来日1年目をともに戦った先発陣への想いは人一倍強い。1年間ともに戦ってきた先発ローテ陣に向けてのラストメッセージ−。それぞれ感じたことや刺激を受けたことを明かした。【取材・構成=波部俊之介】


   ◇   ◇   ◇


デュプランティエの人柄がにじんだ取材だった。日本シリーズの登板を終え、甲子園で対応してくれたインタビュー。先発陣1人1人を思い返すように語り尽くし、気づけば取材は40分に及んでいた。丁寧に答える姿には、チームへの愛や感謝が詰まっていた。


日本で1年目となった25年。言葉はもちろん、文化や作法も全く違う慣れない環境だ。その中でもデュープは誰に対しても丁寧に、時としてジョークで笑わせた。プロ野球界は厳しい契約社会。来季からチームが変わることも、野球人として生きていく中では致し方ないだろう。少なくとも帰国直前に語っていた残留への想いは、偽らざる本音に聞こえた。ハワイ優勝旅行中にも、中野や森下ら複数の選手からイジられていた右腕。ユニホームが変わっても、築いた関係性はきっと変わらないだろう。


取材を続けてきた中で、印象的だった言葉がある。今年8月、31歳の右腕と「30代」が話題になった時だ。


「一生プロとして野球はできないんだなということにもっと気づいたよ。今という1日1日。疲れていようが、悲しい日であろうが、機嫌がいい日であろうが。その日その日の瞬間をすごく大事にするようになった。長くやるためにもね」


感情むき出しに相手打者を抑える一面もあれば、ナインとはしゃいで笑い合う一面もあった。アプリを駆使し、日本語も日を追うごとに上達。常に全力で一瞬一瞬を大切にする姿は、掲げる信条そのものだった。誰からも愛されたデュープの活躍が、新天地でも楽しみだ。

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