
今、悩みを抱えている方、それはお金で解決しますか? お金は生きていくのには不可欠なものでしょう。真心だけでは生きてはいけません。でもお金を払えば解決できるのでしょうか。
『お金さえあれば私の悩みや憂鬱な気持ちはなくなるのにな』あなたもふと、そんなことを考えたことはありませんか? 生活費、仕事、老後、家庭のこと……私たちは日々、お金と密接に関わりながら生きています。では実際のところ、人の悩みは「お金があれば解決する」のでしょうか。それとも「お金ではどうにもならない」のでしょうか。今回は寄せられた声をもとに、「お金で解決できる悩み」「お金では解決できない悩み」、そしてその“間”にあるグレーゾーンを見つめてみました。
お金で解決できることがある
地獄の沙汰も金次第。心地のいいところに住みたい、素敵なバッグが欲しい、広い土地で家庭菜園をしたい、世界一周旅行……お金が解決してくれることは山ほどあるでしょう。
『大抵のことはする。パート辞めるとか、好きなものを好きなタイミングで買えたらストレス発散になるし、ご飯とかも外食できたら作らなくていいし』
『お金があれば100%解決する。2億円欲しい』
『解決する。お金あれば家族や友だちいなくても平気』
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お金で安心も買える
また精神的安定にもつながるという声も見られました。
『お金があると精神的にも安定するし、人付き合いも余裕もってやっていけそうだから、すべてうまくいくよね』
『引っ越すことで環境を変えられる』つまり、“お金がある=逃げ道がある”という安心感が、私たちの心を支えているのかもしれません。
お金の問題ではない
一方で、「お金ではどうにもならない」という意見もたしかに存在します。
『お金があっても若さや健康、家族の愛は買えない。お金で買えないものだからこそ価値がある』
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『金で悩みがすべて解決するなら苦労はないわ』
『腰椎すべり症で大好きなフルマラソンができなくなった。生きがいをなくし抜け殻。この悩みはお金では解決しない』誰もが、人生のどこかで「お金では変えられない現実」に直面します。それは体の不調だったり、老いだったり、人とのつながりだったり。なかには、「お金があれば解決できるけれど、お金で解決したくない問題もある」という声もありました。心の痛みや人間関係のわだかまりは、買っても消えません。
“お金で解決する”という選択は、たしかに合理的でしょう。でもそれが人の誠意や努力、愛情までも置き換えてしまうとき、そこに残るのは便利さではなく、空虚さなのかもしれません。
お金で解決できるものもあるけれど、すべてではない
筆者は昔、「人生は99%お金で解決できる。でも問題は残りの1%だよ」と言われたことがあります。また少し違いますが惣菜を買おうとしたとき10円足りなくて、「細かいお金は欲しいときにないのよね」と言ったところ、店員さんに「人生、そんなものだ」と教えられました。人生にはほんの少し、足りないものがあることが普通なのでしょう。ママたちのコメントにも“ほとんどはお金で解決できるが、すべてではない”といった意見は目立ちました。
『悩みは解決しないけれど、なんとなく心の余裕ができそう。ストレスは減るかもしれない』
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『金持ち喧嘩せず。悩みの8割はお金で解決できると思う。お金は心の余裕』なかには哲学的なコメントも。
『一時的には解決したようにみえるけれど、また次の悩みが出てくる。お金があれば心の余裕はできるけれど、本質的な悩みは残る』
『悩みを消すためにお金を求め、手に入れたらまた次の悩みを探す。その繰り返し』お金はたしかに、人生を生きやすくする“道具”です。けれど、それを「目的」にしてしまうと、幸せの基準がどこまでも遠のいていくのかもしれません。
お金と幸せの“ちょうどいい距離”
お金で解決できない悩みこそ「人間らしく生きるための悩み」なのかもしれません。愛する人を想う気持ちや、誰かに必要とされたいという願い、老いや別れへの恐れ、そして生きる意味……。それらは、お金では買えないけれど、人生に深みを与える大切な要素です。
とはいえ経済的なゆとりが人の心を救うのも事実でしょう。「分相応の豊かさ」があれば、人はもっと穏やかに、優しく生きられる。お金と心のバランスをどう取るか。それこそが、現代を生きる私たちにとって最大のテーマなのかもしれませんね。
文・岡さきの 編集・みやび イラスト・Ponko

