【中日】上林誠知「下のチームは可能性しかない」言葉でもプレーでも引っ張りV導く/インタビュー

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2025年12月31日 05:01  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

※使用注意※掲載日未定・年末紙面掲載予定 中日ドラゴンズ・上林誠知インタビュー(撮影・森本幸一)=2025年11月29日、ナゴヤ球場

<後編>



中日上林誠知外野手(30)が日刊スポーツの独占インタビューに応じた。30日前編、31日後編の2回に渡り掲載する。後編は中日ナインへの思いやオフに福岡・田川で行っているトレーニングについて語った。【取材、構成=石橋隆雄】


   ◇   ◇   ◇


−ずっとホークスで勝ってきた。やっぱり、勝ちたい。今の中日のメンバーで勝ちたい


「そうですね。個人として。優勝とか、CS、日本シリーズっていうのは、いっぱい経験してきたんですけど。で、優勝6回、7回ありますけど、やっぱこのチームで優勝するっていうと、また違ったね、喜びがあると思うんで」


−選手みんなが勝ちたいと思わないとなかなかAクラスにもいけない


「いくら1人が前を向いたところで、チームなんで。みんなが同じ方向に向いて、同じ気持ちでやらないと、絶対に勝てないと思うんで、そこはみんなの意識も少しずつ変えていけたらとは思うんですけど」


−今季は7月に7連勝。8月までCSも争った。強い時は一緒の方向向いてたのでは


「今年も勝ち癖とまではいかないですけど、『なんか勝ってる時ってこういう感じなんだな』っていうのを、みんなが味わえてると思うんで。で、そこをどれだけ継続できるかで、順位も変わってくる」


−来季は大事なシーズンに


「毎年大事ですけど、なんかこう自分にとってもチームにとっても勢いがある時に、一気にこう行きたいなっていうのはありますよね。(年齢が)30超えていろいろいっぱい経験してきてるんで、いい意味で余裕持って。余裕なんてないんですけど、なんか心に余裕を持たせて。相手を上回りながら、自分が上の、優位な立場に立ちながら野球ができたら、もっと冷静に見られるだろうしっていう感じですね」


−来季順調なら取得のFA権は頑張ってきた証


「みんながみんなもらえる権利ではないんで。本来ならもっと早く取れたとは思っています」


−改めてドラゴンズのよさとは


「本当に仲がいいことですかね。毎回言うんですけど。なんか家族みたいな、そういう一丸となるところは、本当にいいと思うんですよね。だから、そこが野球でいい方向に。『みんなで、なんとか会しよう』って言った時の集まる率もそうだし、盛り上がる感じもそうだし、それはそれでいいと思うんですけど、野球でそれが出せたら」


−チームが一丸となりやすい状況ではある


「そうですね。だから、結局、最下位だったり4位だったりっていうのは、伸びしろしかないってことなんですよ。ずっと勝ってるチームはそこを死守しなきゃいけない。ずっと追われてる立場ですけど、下にいるチームっていうのはもう可能性しかないんで、それがいいとこですよね」


−来季はプレーで、背中でチームを引っ張る


「言葉でも全然いいんですけどね、それは。なんか感じたことは言っていきたいとは思っています」


−今季試合に多く出ることで、より強く言えるように


「もちろん。やっぱり説得力がないと聞いてくれないと思うので」


−11月、12月と福岡・田川で自主トレ。どんなテーマで取り組んでいるのか


「頭と体のギャップがないようにっていうのが一番ですよね。やっぱり、けがした時とかっていうのは、それのギャップが多過ぎて、全然ダメだったんですけど、その時よりは近づいてきてるし、よりその精度を高めていきたいし、みんなその理想とか頭で考えてることって絶対あると思うんですよ。それをどれだけ体で表現できるかが結果につながってくるんで。思うように動くような体にしないといけない」


−今年のシーズンはどれぐらいその感覚は戻ってきた


「6、7割ぐらいですね。でもまだ。まだまだ」


−昔の頃比べたら


「昔とかじゃなくて今の中でですね」


−打撃では


「あとは『足底』。足の裏の感覚を、よりもっと出していきたい。特に(軸足となる)左。(利き足の)右足は全部開いたりするんですけど、左足はちょっと弱かったり、足首の硬さとかではないんですけど、やっぱり左足が思うように動かないんで、その神経を通したりっていうのはあります。で、そこが通ってくると、股関節とかにも直結してくるんで、動き的に一番はそこですね。左足首、左股関節」


−順調にはいっている


「徐々に動いてはきています、やっぱ意識してずっと動かしてたら神経が通っていくんで」


−毎年新しいことにチャレンジして、進化する


「現状維持でいいんだったら、なんもしないですけど、そこに満足してないから、『何か知りたい』、『挑戦する』っていう感じですね」


−でもそこが野球の面白さ


「結局正解がないんで、野球は。どれだけ10割に近づけていくかの作業なんで。でも、絶対10割はない」


−数字の目標とかあんまり


「そこはなんかもういいんじゃないかなと思います。とにかく、今年よりも来年、その次っていう感じで、とにかく進化していきたい。ずっと」


−中日の右翼は自分のものだと


「もちろん。存在というか、あまり今まで(チームにも)いなかったタイプだと思うんで。ここでやっぱり優勝したら相当うれしいだろうなって思っています」


◆上林誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日生まれ、さいたま市出身。仙台育英では春夏合わせて3度の甲子園出場。13年ドラフト4位でソフトバンクに入団。当時左の外野手が多かったため「内野手」として入団し2年目から本来の外野に戻った。4年目の17年にレギュラーを獲得。18年は全143試合に出場し自己最多22本塁打。22年5月に右アキレス腱(けん)断裂の大けがで離脱。23年オフに戦力外通告を受け、中日に移籍。座右の銘は「運命を愛し、希望に生きる」。仙台育英時代の恩師で佐々木順一朗監督(現学法石川監督)の言葉。韓国出身の母蓮草(よんちょ)さんは現在、韓国料理教室を行い、人気を集めている。185センチ、90キロ。右投げ左打ち。

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