
来年も頼むバイ! ソフトバンク山川穂高内野手(34)が来季のキャリアハイ更新に自信をのぞかせた。過去に本塁打王を4度獲得したアーチストは、西武時代の18年に放った47本塁打超えに照準。福岡県内の自主トレでは徹底的なフィジカルトレーニングでパワーアップ中だ。勝敗のカギを握る4番は「3連覇を取れるのは僕たちしかいない」とホークスの福岡移転後初の偉業へ意気込んだ。
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山川は相当な覚悟を持って新年を見据えていた。「絶対に許してはいけない」と話した今季の成績は打率2割2分6厘、23本塁打、62打点。得点圏打率は1割7分6厘にまで沈んだ。「自分を超える。まずは自分と闘わないと」と意気込み、福岡県内で過酷な体づくりに励んでいる。
秋広や現役ドラフトで楽天に移籍した佐藤直、育成選手の中沢、長谷川、重松も参加している山川自主トレ。年内の合同練習最終日だった26日はフィジカルトレーニングだけで1日を費やした。「まずプロ野球選手は体力。何かに向き合う体力が一番必要」。若手が倒れこむほどの過酷なメニューを消化。シーズン中はできない猛練習を繰り返し「年間を通して戦っていく体」に磨きをかけている。
エースだった有原はライバルで古巣の日本ハムに移籍した。山川は「この世界では初めてのことじゃない」と冷静だが、静かに燃えていた。「伊藤大海と北山もいるし、かなり手ごわくなるなっていうのはありますけど、それに負けない練習を今はやっている」。今季の日本シリーズMVP男は、西武時代の18年に放ったキャリア最多47本塁打超えに照準。「日本シリーズの時とか、47発を打った時の自分にまだまだなれると思うし、それを超えていけるとも思っている。そうなった時には誰からでも打てるような自分であるはず。そういう期待はしている」。胸を張れるほど日々野球と向き合っている。
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体重管理も徹底。体重はシーズン終了後から5キロ減って、現在は108〜109キロ。「キャンプインの時はもうちょっと絞って」と104キロ前後で来年2月1日を迎える。揚げ物は控え、夕食は外注で栄養バランスを考えた食事サポートを受けている。来季は福岡移転後初のリーグ3連覇への戦い。山川は「自分たちがやることをやれば3連覇できる。3連覇を取れるのは僕たちしかいない」と25年を締めた。【只松憲】
■年内最大の寒波が到来した日、最大の地獄を味わった。12月26日、午前10時。気温5度の球場に姿を見せた山川から「今日は午後の坂道ダッシュまで」と誘われた。「記者も一緒に」という意味だ。スタッフは「いい日に取材に来ましたね。今日は一番過酷な日ですよ」と苦笑い。寒さの震えが違う「震え」に変わった。
山川自主トレはスタッフも関係者も全員がジャージー姿で汗を流す。まずは軽め…といっても運動不足のアラサー記者には息があがるウオーミングアップから開始。ダイヤモンド1周のうさぎ跳び、片足移動、ボールかご押し…。開始30分でギブアップ寸前だった。それでも山川は「実際に経験するのが一番の取材よ」と背中を押してくれた。
内野ノック、昼食、スキー場のような急勾配の坂道ダッシュまで同行。「活躍した人はこういう道を通ってきている。楽して稼ぐとか、楽して活躍する人はあまり見たことない」。億単位の給料を手にするプロ野球選手は華やかに映るが、背景には死に物狂いで練習する姿がある。数日間は筋肉痛で歩行さえも苦労したが、プロの自主トレに感銘を受けた。【21〜25年ソフトバンク担当=只松憲】
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