
論理的に話すためには、
1. 人の話を「論理的に把握する」
2. 頭の中を「論理的に整理する」
3. 頭の中を「論理的に伝える」
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という3つのSTEPに分解することが必要だ。ただ、残念ながらこれらの「型」を理解するだけでは、実際に論理的に話せるようになるわけではない。
自転車の乗り方を本で読んだだけでは乗れるようにならないのと同じで、実際にペダルを漕ぎ、バランスを取り、転びながらも練習を重ねることで初めて習得できるスキルである。
では、具体的にどのような訓練を積めば、これらの論理的思考の「型」を体得し、瞬時に発揮できるようになるのだろうか。筆者はその最も効果的な訓練方法の1つが、「問いを解くこと」であると考えている。なぜ「問いを解くこと」が論理的思考力の向上につながるのかについて以下で確認していく。
●問いは思考を促し、より深い理解に至ることを支援する
人間は、明確な「問い」を与えられないと、漫然と情報を眺めたり、表面的な理解に留まったりしがちである。一方、具体的な問いを突きつけられると、脳は自動的にその問いに対する答えを探し始め、結果としてより深い理解にたどり着くことがある。
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例えば、あるプロジェクトの進捗報告を受ける際、ただ資料を眺めているだけでは、表面的な情報しか頭に入ってこないかもしれない。一方で、
「このプロジェクトの最大の課題は何だと思うか?」
「その課題を解決するために、次に取るべき具体的なアクションは何か?」
といった問いを投げかけられると、受け手は資料の細部にまで注意を払い、情報を分析し、因果関係を特定し、解決策を導き出すという一連の思考を促される。そのため、漫然と情報をインプットするだけでは得られない、深い洞察や理解が生まれ得る。
これは、その他のビジネスの現場でも同様であり、例えば、部下から「新商品の売り上げが伸び悩んでいます」と報告を受けた際、単に「そうか」と聞き流すのではなく、
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「なぜ売上が伸び悩んでいるのか、考えられる要因をMECEに分解して要因を洗い出してみてくれ」
「その中で最も影響が大きいと思われる要因は何か?」
「その要因に対して、どのような打ち手が考えられるか?」
といった具体的な問いを投げかけることで、部下は自ら情報を整理し、論理的に分析し、解決策を導き出す訓練を積むことになる。上司は部下の思考を促し、部下は問いに答える過程で論理的思考力を鍛えることができるのだ。
このように、「問い」は単なる疑問ではなく、思考を活性化させる強力なトリガーとなる。問いに答えようとすることで、私たちは情報を能動的に処理し、既存の知識と結びつけ、新たな視点を発見し、最終的に問題解決へとつながる論理的な道筋を構築する力を養うことができる。従って、論理的思考力を鍛えるためには、自らに、あるいは他者に、質の高い問いを投げかけることが重要である。
この記事は、中村将貴氏の著書『パッとロジカルに考えるための 瞬間論理的思考トレーニング』(SBクリエイティブ、2025年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
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