ひろゆき―[ひろゆきの兵法〜われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?〜]―
就職氷河期世代はこれまでの人生においてさまざまな困難を乗り越えてきたわけだが、40-50代になって迎える新たな難問が「孤独」だ。人生後半も過酷な彼らは、いかに生き抜いていくべきか? 同世代のひろゆき氏が考える。
中年になると人間関係が狭くなっていく傾向があります。平日は家と会社の往復で終わるし、若い頃は仲が良かった友人も、結婚して子どもができれば家庭が忙しくなるので、わざわざ会う理由もなくなり、気がつけば連絡を取り合うこともなくなっていくわけです。
もちろん家族仲が良かったり、趣味のコミュニティがちゃんと機能していて幸福度が高い人もいるとは思います。ただ、現実としては、子どもは親離れするし夫婦関係もなんとなく距離ができる。仕事では中間管理職として上と下に挟まれ、責任だけは増える。そんなこんなで、気づいたときには孤立状態みたいな人が世間には溢れています。
孤立状態になると寂しさや誰かに認められたい承認欲求から暴走し始める人も出てくるので、その“予防線”として別の居場所をつくっておいたほうが楽なんじゃないかなと。
「家族や会社の人間関係を良くすればいいのでは?」と言う人もいますが、それはたぶん難しいんですよね。そこを修復できるスキルがあるなら、そもそも関係が冷え込んでない。もちろん努力すれば改善するケースもあるのでしょうが、それなら新しい人間関係をつくったほうが楽だし、成功率が高い気がします。
そのためには、ちょっと面倒かもですが、新しいコミュニティに参加するしかなかったりします。できれば同年代の同性が多い場のほうがハードルは低いです。将棋でもスポーツでも楽器でも町内会でもボランティアでも、別にお金がかかる活動でなくていいので、「ちょっと覗いてみよう」くらいの距離感で参加できる場所はけっこうあるはず。
◆合わなければ、二度と行かなければいい
ただ、そこで仲良しをつくろうと意気込むと逆にしんどいので、活動の説明を聞くとか、軽く雑談ができる程度の薄い関係で十分です。合わなければ二度と行かなければいいだけの話ですし。
そうやって心理的ハードルを下げつつ、いろいろと活動をしていると、その経験が後に話題のネタにもなるし、他人との会話が生まれたり、人間関係構築に役立つのですね。
僕自身も、面白そうな募集を見つけると普通に応募してます。もちろん、立場的に声をかけてもらうほうが多いのですが、一般枠から応募することも全然あります。例えば、某サッカー選手が事業を立ち上げる際、SNSでITエンジニアを募集していたときも一般枠で応募しています。Xで国産SNSを立ち上げるという募集にも、デジタル庁の民間公募にも応募していたりします。面接落ちましたけど。
そんな感じで、できれば自分の過去の経験とかノウハウが生かせるコミュニティを見つけられると、そこで重宝される可能性もあるし、自分の存在意義を感じられたりするので最高です。僕の場合、応募目的は承認欲求でも人付き合いでもなく、単純に「面白そうだから」ですが、そうやっていくつものコミュニティに参加していることによって、ムダな承認欲求がないって可能性は否定できないわけです。まぁ、どっちにせよ、それはそれで悪いことではないと思うのですが。
構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)
―[ひろゆきの兵法〜われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?〜]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』