
西武の本拠地ベルーナドームは5日朝、冷えた。埼玉・所沢市内は気温2度。本拠地内はスマートウオッチ計測でわずか摂氏1度だった。
氷点下に迫るほど底冷えのドームに午前9時前、1人の選手が現れた。「あけましておめでとうございます!」。育成の是沢涼輔捕手(25)だ。
「後光が差してますね」
冬のこの時間に来ないと分からない。光と冷気がグラウンドに差し込み、どこか神秘さがある。
1時間後にチームスローガン「打破」が発表されることはもちろん知らず、とことんバットを振る。
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育成3年目の昨季も、支配下登録の候補には挙がった。しかし及ばず。課題は打撃にある。周囲にもアドバイスをもらいながら、オフを過ごしてきた。
育成4年目、間違いなく勝負の年。高橋光成投手(28)の残留が決まり、チーム力には間違いなく大きなプラスになった。
30人を超える育成選手たちには“現実”を感じさせられる事象でもある。支配下枠が1つ減る。
「(支配下枠数を)気にしてしまう時もあります。でも去年の仲三河くらい(の好成績を上げれば)っていうのは育成選手、みんなあると思うので。それくらいを目指して、やれることをやって待つだけです」
強肩、フレーミング能力、投手への献身性−。高校も大学も控えだったのに、球団も認めるだけの捕手能力を身につけつつある。
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チャンスを何とかものに−。そのためにも故障だけは避けたい。この日も念入りに走り込んでから、バットを振った。
「2年前のチームスローガンじゃないですけど、今年は“やる獅かない”ので。やるだけですね。あと、まぁ…」
何かを言い出す気配。ためてから続けた。
「今年、うま年なんで。自分、是沢(これさわ)って名前なんで」
ここまで来ればほぼほぼ想像がつく。
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「無事是沢名馬、で」
やはり。これぞ是沢。
「ケガをしなければ絶対にチャンスはあると信じているので。春のキャンプからアピールします」
球場外では、ある球団関係者が「えっ、是ちゃん、もう打ってるの!?」と驚いた。どこかうれしそうだった。【金子真仁】
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