【MLB】ブルージェイズが岡本和真を獲得した理由とその背景 番記者が解説する選手としての評価と契約内容の評価

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2026年01月06日 17:10  webスポルティーバ

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前編:ブルージェイズが岡本和真を獲得した理由

 メジャー移籍を表明した"巨人の4番"の行き先が、ついに明らかになった。現地時間1月3日、トロント・ブルージェイズが岡本和真と4年6000万ドル(約90億円)契約で合意したとアメリカ、カナダの主要メディアは一斉に報道。去年のワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャースを苦しめたブルージェイズが、ここで再び脚光を浴びることになった。

 地元トロントの記者は岡本獲得について、どう見ているのか。打順は何番を打ち、どんな役割を果たすことになるのか? そして、岡本が最終的に村上宗隆(シカゴ・ホワイトソックス)を上回る金額の契約を手にした理由はどこにあるのか? 『MLB.com』のブルージェイズ番記者、キーガン・マセソン氏に意見を求めてみた。

【岡本獲得の合理性とその背景】

 私は今回の契約をとても気に入っている。ブルージェイズはここしばらく、日本マーケットでインパクトのある動きをしようとしてきた。2年前のオフ、FAになった大谷翔平の獲得を本気で狙ったあの大型追跡だけの話ではなく、日本でのスカウティングや存在感を本格的に強化しようとしてきた。だから今回の契約は彼らがずっと追い求めていたものだと思うし、岡本は攻撃面でもチームに非常によくフィットすると思う。

 金額も適正だし、日本マーケットからの注目も得られる。それこそブルージェイズが強く望んでいたものだから、さまざまな意味で理にかなっていると思う。しかもこれで終わりではなく、やろうと思えばさらに動ける余地も残している。昨季、ワールドシリーズ制覇まであと1勝と迫ったあとで、彼らはすばらしいオフシーズンを過ごしていると言えるのだろう。

 なぜ岡本が打線にフィットするかといえば、プレートアプローチ(=打席での球の見極めやコンタクト能力)がとても優れているからだ。同じ日本人のスラッガーでも、例えば三振、空振りの多さが喧伝されてきた村上宗隆のようなタイプは合わなかったと思う。ブルージェイズは三振が少ないチームで、ボールをインプレーにし、そこにパワーを上乗せするというチームアイデンティティがある。その点で、岡本がブルージェイズ上層部から高評価されたのは理解できる。

 守備面でも、ブルージェイズはアーニー・クレメントやアディソン・バーガーのような多才な選手を好む。ブラディ(主砲のブラディミール・ゲレーロJr.)のような一部の例外を除けば、基本的には複数ポジションを守れなければならない。岡本はそれができる選手であり、だから攻守両面で理にかなった補強だと言えるわけだ。

【強力打線のなかで担う役割は?】

 少し気が早いが、ここで岡本がブルージェイズ打線のなかでどんな役割を果たすのかを予想してみたい。私は、どんなラインナップ(打順)でも彼がクリーンナップの一角を担うだけの力を持っていると思う。昨季のブルージェイズはよくジョージ・スプリンガーを1番、次にボー・ビシェット、そしてブラディという並びを使っていた。岡本がFAになったビシェットに代わって2番を打つ選択肢になるのかは興味深い。相手投手に警戒されるブラディの前に入れば、より多くのストライクを見ることができる意味で、打者にはとても楽しい打順になるからだ。

 もし2番でなければ、4番か5番に入るべきだろう。彼には得点を生み出せるパワーがある。ビシェットと再契約するか、まだFAマーケットに出ているカイル・タッカーを加えない限り、岡本はブラディの前後を打つ選択肢になると思う。彼のように球を選んで強打できる打者には理想的な環境だ。今後、さらにどんな動きがあるか次第だが、ブルージェイズのラインナップがどう組まれるのかはチーム内外から注目されるだろう。

 岡本の契約は、オフ戦線開始当初に予想されたよりも大きなものになった。最終的には複数のチームとの争奪戦をブルージェイズが制した形だが、お金を払いすぎたとは思っていない。今のメジャーリーグでの金の動きを見ると、リリーフ投手ですら年俸1400〜1500万ドル(約21億〜22億5000万円)を得るようになったのだから。

 今回の契約は、岡本が30歳、31歳、32歳という、まだ全盛期であるはずの年齢をカバーしている点もいい。もし5年、6年契約だったら、35、36歳の姿を想像しなければならず、少し長すぎたと思うが、4年で収まっている。

 村上がホワイトソックスから得た2年契約も、彼にとっては自分の価値をメジャーで確立するチャンスになるという意味で、印象的だった。一方で、岡本はチーム側から見て、どんな選手になるかがより明確で、予測しやすい存在だったと思う。だとすれば契約年数は最適だし、金額も過剰には感じない。ブルージェイズには十分な資金もあるし、いい契約だと思う。

 先ほど、「さらに動ける余地も残している」と述べたが、実際に補強は終わりではないかもしれない。特にタッカーやビシェットが短期契約に前向きなら、なおさらだ。今のブルージェイズはドジャース、ニューヨーク・ヤンキースのように、マーケットに出ている大物選手の争奪戦に名前が挙がる球団になった。

 もちろん狙った選手を必ず獲得できるわけではないが、ブルージェイズのフロントは"好選手が適正価格で獲得できるなら、関与しなければならない"と考えているのだろう。彼らは自分たちがどれほど世界一に近づいていたかを知っているし、仮に支出が増えても、ワールドシリーズを制すればすべてが報われると考えている。すでにすばらしいオフシーズンだが、優れた打者をもうひとり加えられれば、ブルージェイズはア・リーグの優勝候補どころか、ワールドシリーズの優勝候補になり得ると思う。

つづく

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