札幌地裁=札幌市中央区 陸上自衛隊白老駐屯地(北海道白老町)で自衛官が自殺したのは、先輩隊員のいじめに適切な対応が取られなかったためだとして、母親ら遺族4人が国に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、札幌地裁であった。守山修生裁判長は、いじめについては否定した一方、自衛官の精神的苦痛に関する責任を認め、母親への110万円の賠償を国に命令。他3人の請求は棄却した。遺族側は控訴する方針。
判決によると、自衛官の川島拓巳さん=当時(19)=は2012年10月、勤務していた白老駐屯地内で自殺した。
遺族側は川島さんが先輩隊員から「死ね」「辞めろ」などと暴言を浴びせられたり、暴行を加えられたりしていたと主張したが、守山裁判長は「事実を認めるに足りる的確な証拠はない」と退け、いじめがあったと認定するのは困難と判断した。
一方で、川島さんには不眠症状があり、先輩隊員との生活による精神的苦痛の蓄積などから症状は悪化していたと指摘。それにもかかわらず、先輩隊員に対して大声で怒鳴らないようにするといった配慮を求めるなど、必要な情報共有をすべき義務を怠ったとして国の責任を一部認めた。
陸上自衛隊の井土川一友北部方面総監の話 国の主張について裁判所の理解が得られなかったものと考える。