【追悼】元祖“中学生プロ棋士”の加藤一二三さんが愛した「勝負メシ」と、対局前に聴いていた「音楽」

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2026年01月28日 12:00  週刊女性PRIME

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2026年1月22日に亡くなった加藤一二三さん

 将棋棋士の加藤一二三さん(享年86)が1月22日、肺炎のため亡くなったと所属事務所が発表した。

「加藤さんは2025年11月ごろに体調を崩して入院。その後は入退院を繰り返していたそうです。入院中も病室に将棋盤と駒を持ち込み、執筆活動にも取り組んでいたそうです」(スポーツ紙記者、以下同)

 晩年はバラエティー番組に出演し、“ひふみん”の愛称でお茶の間から愛されたが、現役時代は“神武以来の天才”と称される棋士だった。

「中学生だった1954年、14歳7か月でプロ棋士に。藤井聡太六冠が14歳2か月でプロになるまで破られなかった最年少記録でした。1958年には史上最速で名人戦の順位戦最上位であるA級八段に昇段。18歳3か月でのA級昇級は、藤井六冠にも破られることなく、現在も最年少記録。2016年にはその藤井六冠のプロデビュー戦の相手となりました」

 そんな天才勝負師の胃袋を長年、支えた味があった。

「現在は千葉県へ移転しましたが、東京の将棋会館の近くにあった『ふじもと』のうな重を対局のときの“勝負メシ”にしていました。昼と夜の連続で食したことも。2017年6月、現役最後の対局のときも、この店のうな重でした」

 そんなお気に入りの「ふじもと」の店主は、突然の訃報に驚きを隠せなかった。

「第一報を聞いてびっくりしました。その後、テレビとか見ていたんですけど……。悲しいですね。一二三先生は誰に対しても変わらずに接していて、ひと言で表現するとしたら“いい方”でした

 加藤さんからずっと愛されていただけに、こみ上げてくる思いがあるようだ。

「最後の対局でも、出前をうちで取っていただいて。うちの店としては、一二三先生にいろいろと助けてもらった部分があるので、感謝しています」(「ふじもと」の店主)

クラシック音楽を聴いて名人戦に

 うな重のほかにも、心の支えとなっていたものがあった。

クラシック音楽です。若いころから聴いていたそうですが、熱心に聴き始めたのは1982年、加藤さんが42歳のときでした。中原誠さんと名人戦を戦ったとき、自宅でモーツァルトやバッハを聴いて気持ちを高め、見事に名人のタイトルを獲得したのです」(将棋ライター、以下同)

 音楽をこよなく愛したのは、将棋と通じるものがあるからだという。

「加藤さんは“『名曲』と『名局』には共通点が多い”と話していました。音楽は一瞬の展開で、将棋は一手指すごとに景色が変わっていくからだそう。対局前にモーツァルトを聴きながら“こんなすばらしい将棋が指せたらなぁ”と思っていたみたいです」

 最後まで将棋への愛は衰え知らず。今頃は、天国で次の手をどうするか、長考に入っていることだろう。

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