
バレーボールVリーグ女子・アルテミス北海道は、今季からユニホームをゆったりとしたシルエットのデザインへモデルチェンジした。目的は近年問題になっている、不適切なアングルでの撮影行為や性的な意図を持って撮影された画像、動画の拡散への対策だ。クラブは「選手ひとりひとりが安心してプレーに集中できる環境づくりを」と説明しており、主将の山田菜那光(23)は「(シルエットが)緩めにはなったんですけど、中にスパッツも履いて下着が見えない形になっているし、防犯になっていると思います。バレーに集中できる」と歓迎している。
昨季までのユニホームは、袖が短く、また体のラインが目立つタイトなシルエットだった。動きやすさを追求したものであり、バレーボール界としては一般的なデザイン。選手内でも「かっこいい」「強そうに見える」という声はある。だがやはり、選手が意図しない形での画像、動画のSNSなどでの投稿は増えていた。特にリベロはパンツもゴールドカラーで肌の色に近かったこともあり、下半身を狙ったようなアングルで撮影された動画が散見された。選手からはシーズン途中にパンツの色を黒色へ変更する希望も出たという。時間的な問題でその変更はかなわなかったが、昨季主将を務めていた岩見花(24)は「なんでそういう目で見るんだろうというのもあるし、バレーを見に来てるんじゃないんだなっていうのもショックだった」。女性としての嫌悪感とともに、アスリートとしても気落ちしたという。
投稿されている画像や動画の内容で、会場や撮影位置はある程度特定できるため、現状ではクラブ間で情報を共有し対応している。“怪しい”会場では「試合開始まではハーフ短パンを履いてユニホーム姿にならないだとか、試合後のダウンを会場ではやめるだとかしたこともあります」(山田)と対策を講じている。
Vリーグは2日間の連続開催が基本。山田は「1日目に気がついたりすると、2日目に『あの人じゃない?』と話をすることもある」と明かす。だが実際に会場で取り締まるのは難しく、また「純粋に応援してくれている人にまでそれ(規制)がいくのは違うかなと思う」と、撮影自体を禁止にすることはバレーボール観戦の楽しみのひとつを奪うことにもなる。
新ユニホームはゆとりをもたせつつも、競技のパフォーマンスに影響が出ないように配慮されている。山田は「慣れてくると全然動ける」。丸山桐果(20)も「練習着に近い形でできるので」とプレーに支障はない。迷惑撮影はバレーボールだけではなく、陸上や体操、水泳など各競技で深刻な問題となっている。クラブ関係者は「今回採用したユニホームのシルエットが、他の女子バレーボールクラブや学校部活動などにも広がり、女子バレーボール界におけるひとつの新たなスタンダードとして定着していくことを願っています」と話した。【本間翼】
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