
ノジマは1月29日、2025年度第3四半期の決算を発表した。その中で、子会社であるVAIOの業績については「過去10年で最高水準で推移している」と好調ぶりを示した。
●VAIOの2025年4月〜12月業績は?
ノジマの連結決算において、VAIOは「プロダクト事業」セグメントに含まれている。このセグメントに属するのはVAIOだけなので、「プロダクト事業の業績=VAIOの業績」ということになる。プロダクト事業単体の2025年4月〜12月累計の売上高は474億8200万円、経常利益は37億5100万円となった。
ノジマによるVAIOの買収完了が2025年1月となったこともあり、プロダクト事業については前年度の同期を比べる資料が存在しない。しかしVAIOが2025年6月に官報へと載せた第6期(2024年6月〜2025年3月:※1)によると、同期の売上高は495億8000万円、経常利益は18億8000万円だった。前年度の変則的な10カ月間の業績と比べても、今回の9カ月間の業績は前年実績を上回っていることを示唆している。
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なお、プロダクト事業における第3四半期単体(2025年10月〜12月)の売上高は約132億円となっており、2025年度通期では600億円前後に到達する可能性もある。
(※1)第6期が10カ月しかないのは、決算日の変更(5月31日→3月31日)を行ったため。なお、現在のVAIOはNJM1(ノジマが旧VAIO株式を保有する「VJホールディングス3」を買収するために設立した特別目的会社)が商号変更したもので、旧VAIOは2025年4月1日、VJホールディングス3と共にNJM1に吸収合併され消滅している
●Windows 10のEOSは業績にあまり影響しなかった?
プロダクト事業(VAIO)について、ノジマは「Windows 10の延長サポート終了(EOS)に伴う買い替え特需の一服により、法人需要の減少が懸念される」とした上で、「VAIOにおいては、堅調な推移を維持している」と好調の一端を説明している。また「世界的なメモリー需要の逼迫に伴う市場価格の高騰や、供給不足が顕在化している」とPC業界全体の状況を説明した上で、「VAIOは安定的な供給体制を確保している」とした。
一方、個人向けの販売については「ノジマ店舗を中心に好調に推移している」とした上で、販売を促進する手段として「日本初となる『バッテリー保証サービス』を(ノジマと)共同で展開した」と、親会社・子会社間の連携をアピールした。
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バッテリー保証サービスは、対象機種の購入から3年以内にバッテリーの満充電容量が定格容量の80%以下になった場合にバッテリーを無償で交換するサービスで、ノジマ店舗でのみ実施している。追加料金は不要で、基本保証でバッテリーの劣化を保証するのは日本で初めての取り組みだとしている。
またVAIOでは、2025年12月にソニー出身の糸岡健氏が社長となった。このことについてノジマは「代表取締役交代を機に、チーム各社とのシナジーをさらに深め、強固な連携体制のもとでさらなる成長を目指す」としている。
2026年1月以降、部品の調達価格の高騰など背景にPCメーカー各社が本体価格の値上げに踏み切っているが、VAIOでは「価格改定については、部材の動向や市場環境を見極めながら判断を行っていくことになる。現時点で具体的には決まっていない」とコメントしている。
●ノジマ全体の業績/他セグメントの業績
ノジマ全体の2025年4月〜12月累計の連結業績は、売上高が前年度同期比15.8%増の7139億円、営業利益は同25%増の406億円、経常利益は同29.4%増の450億円、EBITDA(※2)は同16.7%増の634億円、当期純利益(※3)は26.5%増の291億円となった。
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売上高と営業利益は過去最高を更新し、経常利益と当期純利益についても2020年度におけるスルガ銀行などの持分法による投資利益を除くと過去最高を更新している。EBITDAも過去最高となった。
(※2)利払い前/税引き前/減価償却前利益(※3)利益から差し引くべき事項(利払い/税引き/人件費/代金支払いなど)を差し引いた後に残った利益
デジタル家電専門店運営事業
ノジマの“本業”である「デジタル家電専門店運営事業」セグメントでは、売上高は前年同期比9.6%増の2456億円、経常利益は5.5%増の151億円となり、売上高は過去最高を達成した。家電小売業界全体では物価高の影響を受けているものの、冬のボーナス商戦やWindows 10のサポート終了に伴う買い替え需要などにより、底堅く推移したとしている。
ノジマでは顧客ニーズに合わせた「コンサルティングセールス」を継続すると共に、ブラックフライデーに合わせた販促施策や、人気キャラクターを活用したキャンペーンを実施した他、デジタル技術を活用した快適な買い物環境の提供に取り組んだという。
また、首都圏を中心とした店舗のドミナント展開、小型店舗の出店や既存店舗の適正化などによる効率的な店舗づくりを進めたという。店舗数については、「スクラップアンドビルド」により11店舗のデジタル家電専門店を新規出店する一方で、2店舗を閉店して差し引きで240店舗となった。通信専門店(※5)は16店舗を閉店または譲渡(※6)したため、1店舗のみとなった。
(※5)でんわ館(携帯電話の併売店)およびノジマが運営するキャリアショップ(※6)auショップ/UQショップについてはITXコミュニケーションズに、ソフトバンクショップ/Y!mobileショップについてはアップビートに会社分割形式で譲渡した。なお、譲渡先は共にキャリアショップ運営事業セグメントに属するノジマの子会社だ
キャリアショップ運営事業
4つの子会社を通して展開する「キャリアショップ運営事業」セグメントでは、売上高は前年同期比7.1%増の2854億円、経常利益は同61.8%増の181億円となり、いずれも過去最高値を更新した。
同セグメントでは安心安全につながるセキュリティ関連サービスなどの提供を推進し、人材育成と接客品質の向上による組織基盤の強化に注力してきたという。
2025年12月に施行された改正電気通信事業法への対応についても、新たな施策の実装を進めていること、高い接客技術の共有により、顧客満足度の向上と事業拡大を推進していることを示した。
同セグメントでは、直営店とフランチャイズ(FC)店を合わせて29店舗を新規出店または譲受する一方で、22店舗を閉店または他社譲渡しており、現在は942店舗体制となっている。
インターネット事業
老舗のインターネットプロバイダーとして知られるニフティや、通信販売大手のセシールを含む「インターネット事業」セグメントでは、売上高は前年同期比3.6%増の549億円、経常利益は同3.6%減の50億円となった。
ニフティでは「宅内回線診断アプリ」を開発して特許を取得したという。同アプリは「ノジマ」アプリにも内包されており、インターネット利用の快適さを実感するための体験づくりを通して、回線品質への満足度向上を図るという。「生活インフラとして超高速ブロードバンドの重要性が高まる中、ニフティはお客様の快適な通信環境の実現に挑み続け」るとのことだ。
なお、ニフティでは「@niftyニュース」のWebサイトとスマートフォンアプリを、2026年3月31日午後5時をもって終了すること告知している。
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