
「“わずかな時間の合間に副業で小銭稼ぎ……難しいですよね?”と、よく相談を受けますが、そのぐらい稼げる!と意気込むことが大事です」
そう話すのは、専業主婦から在宅秘書に転身した経験を生かし、会社を起業した野川ともみさん。副業は多岐にわたるので、始める前に、まずは自分がやりたいこと・やりたくないことを書き出しておくとよいそう。
自宅でできる初心者向きバイト
「職種だけでなく、家から出たくないとか、人としゃべることが苦手など、環境や自分の性格など抽象的なものでOK。おのずと自分に向く仕事がわかります。合わなければ続かないですし、つらいだけでお金を得る前に諦めてしまうこともありますから」
初心者におすすめの仕事はどんなものがあるのか。例えば在宅でできるものは?
「シール貼りや梱包などの内職、不用品をフリマアプリで売るなどはパソコン操作が苦手でもハードルが低いです。内職は低単価ですが、外に出ずに働きたい人にはよいでしょう」
|
|
|
|
ハンドメイド販売なども稼げる。
「例えば、YouTubeでリペア方法を学んで、中古ブランド品のバッグや財布、靴などの汚れた部分を自宅できれいに修理し、フリマアプリやリユースショップで高くリペア転売するという方法もあります」
もっと手軽に、スマホひとつでできる副業もある。例えば、サイト広告を閲覧してポイントを稼ぐ“ポイ活”。
「広告のクリックや動画視聴、アンケート回答、特定のサービスの利用などでポイントが得られます。ほかには、“レシートスキャン”。買い物したレシートをスマホで撮影・送信してポイントや現金(ギフト券など)がもらえるものもあります」
さらに、自分が撮影した写真を販売するストックフォトサイトやアプリもあり、スマホがあればできる。撮影が好きであれば趣味と実益を兼ねた副業。どれも単価は低いが短時間でできるのは魅力だ。
|
|
|
|
派遣会社に登録して在宅秘書やコールセンター
在宅秘書として延べ200人以上の起業家の下で働いた経験が、起業のきっかけにつながったという野川さん。オンライン秘書にはまだ可能性があるという。
「事務から簡単なIT作業まで業務は幅広いです。頑張りが認められれば別の業務を頼まれて、スキルアップにつながるんです。時給で働く人もいれば、案件ごとにお給料が発生する場合もあり、働き方はさまざま。1日30分ほどのすき間時間で働くことも。
できれば基礎的なITスキルがあり、わからないことも自分で調べる積極性があるといいですね。派遣会社に登録すれば仕事がもらえます」
このほかにコールセンター業務や営業代行など在宅で行える仕事は多く、1日数時間から働けるのも好都合だ。
「在宅コールスタッフの仕事は、アンケート依頼の電話やカスタマーサービスなど難易度によって収入が変わります。営業代行は時給1500〜3000円程度が相場。成果報酬の仕事もあり、商談1件につき1万円、成約すれば10万円などいろんな業務形態があるので、短時間で会社員並みに稼げるかもしれません」
|
|
|
|
「文字起こしの仕事も気軽に始められる仕事。入力や音声の文字化といった作業で、市区町村の役所からの仕事もあります。以前、私も30分のニュース番組を文字起こしして、1000円稼いだことがあります。作業は1時間半くらいかかるので、時給換算すると750円ほど。
ですが、自宅で行えて時間の融通が利くのは良いですし、仕事のやりとりがチャットで完結するのも楽です」
文字起こしは知識がなくともできるものが多い。ただ、昨今ではAIでできるため低単価な場合が多い。さらにはAIで文字起こしをして、わかりやすい文章に整える作業がメインという案件も多い。
「長く仕事から離れていた方が社会復帰の足がかりとして行うには良いですが、AIの進化もあり将来性を考えたら、長く続ける仕事ではないかもしれません。タイピングに慣れたらウェブライターに挑戦するなど、ステップアップのために期間を決めて働くべきです」
AIの台頭により、文字起こし、さらにはウェブライターの仕事も状況は変わってきている。
「こうした仕事はAIに取って代わられて、入り口が狭くなっているのも事実です。実績を積みながら、得意分野を見つけたり、専門性を身につけ、クライアントを確保するなどスキルアップを考えることが大切です」
AIを活用して副業の幅を広げる
一方で、AIを使いこなせれば効率的に稼げる。
「最近では広告バナーもAIで作れるので、特別なコードやソフトを使いこなすスキルはいりません。バナーのレベルによりますが約10分で作成でき、単価は1件500円くらい。
移動中にスマホで画像をAI生成し、設定だけ家のパソコンで行えば良いんです。広告の文章は、家事をやりながらでも外出先でも考えられますよね。またAIで動画を作成すれば、1件2000〜3000円ほどで買い取ってもらえることもあります」
YouTubeを見て1か月勉強すれば、約15〜30分でスマホで作れるようになるという。
「高額なスクールに通う必要もありません。なによりAIのことはAIに聞けばやり方を教えてくれるので、使っていくうちにできるようになります。
企業側の需要も高いですし、難しそうという固定観念を捨て、普段から触れておくといいかもしれません」
副業を始める際、最初からお金や時間の投資が必要な場合は注意すべき。
「仕事をもらうために高い登録料を払わされたり、指定の機材を買わなければいけないなら、報酬に見合っているか検討してください。
講座に通って資格取得が必要な仕事も、費用がかかるうえ、挫折する可能性が高いです。そして最初から短時間で簡単に、高額報酬を得られる仕事はないと肝に銘じましょう」
たとえ少額の報酬でも、初期費用なく気軽にできて、続けられそうなものを選ぶことが大切。
「副業を始めると世界や人脈が広がりますし、自分で稼げるという自信にもつながります。実際に副業を始めて経済的な不安が減り、離婚に踏み切れた方もいらっしゃいます。
年齢を重ねるとできない理由を探しがちですが、たいていの人の能力に差はなく、要はやるかやらないかです。一歩行動に踏み出すだけで、楽しい人生が待っているかもしれません」
教えてくれたのは……野川ともみさん●2人目の出産を機に専業主婦となるが、在宅ワークという働き方を知り、オンライン秘書として復職。その後、在宅で起業し、現在はコンサルティングと広告代理店業である株式会社アトラクト、RIDE株式会社の2社を経営。女性コミュニティー「女性の生き方応援レシピ CheUP!」を主宰。
取材・文/植田沙羅

