写真 「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」が、ブランド初となるプレコレクションを発表した。クリエイティブ・ディレクターのステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)が、ワードローブ視点でコレクションを再解釈。今後も継続的に展開していく考えだ。
プレコレクションの製作に際しガリーチは、ショーで描く物語から離れ、ワードローブ視点で服を捉え直したという。季節の枠組みに捉われず、長くき続けられる「ステートメントピース」を重視しながら、創設者のアン・ドゥムルメステールから継承される精神性を気負いなくまとえるようなコレクションを構想。こうした思考の流れを経て、メインのコレクションで披露してきたテーラリングやテキスタイル、アイコニックな紐のディテールなどを取り入れながら、前シーズンの「エピローグ(後書き)」であり、次回の「プロローグ(序章)」でもあるというコレクションが完成した。
また、かつてパティ・スミス(Patti Smith)がブランドのミューズの役割を果たしたように、ガリーチ自身のミューズを探していったという。同氏はDJや楽曲制作を手掛けるなど音楽への造詣が深いが、今回はパティのような象徴的な存在ではなく、ブランドの精神を体現してきた人物像に光を当て、ジェイミー・ボシェール(Jamie Bochert)やジョニー・デップ(Johnny Depp)が持つ、人生に対する軽快さと揺るぎない個性に注目。彼らが持つ軽やかにブランドを着こなす姿も、レファレンスの一つになっている。
コレクションでは、ルーズなジャケットやレザーのバイカージャケット、バーシティジャケット、ボンバージャケットなどが登場。また、メインのコレクションで発表したスリムなアウターは緩やかなシルエットに、ロング丈で重厚感のあるコート・ジャケット類はクロップド丈に、ロマンティックなテキスタイルのロングシャツはレギュラーな丈に、といった具合に、シーズンの合間に取り入れやすい仕様へと生まれ変わった。
フットウェアはランウェイではブーツスタイルが特徴的だったが、プレコレクションではスニーカーやパンプス、ショートブーツといったベーシックなアイテムが揃う。バッグからは、柔らかく扱いやすいレザーを用いたトートバッグ、チェーンショルダー、ナップザックタイプなどをラインナップする。
ガリーチは就任以降、創設者アンが創り上げたコード、ブランドのヘリテージに自身のスタイルを取り入れながら、新たなユーザーに橋渡しする役割を担ってきた。コレクション製作以外では、世界各地で友人やアーティストなどをモデルに起用するプロジェクト「KIDS」を継続的に実施。自己表現を楽しむ多様なクリエイター、ファンのコミュニティ形成に力を入れている。また、昨年は国内2号店となる伊勢丹新宿店をオープン。実際に手に取れる場が増えたことで、若年層の男性を中心に顧客層が広まり、好調に推移しているという。
今回のプレコレクションの展開により、メインコレクションを補完する新たな柱として、さらなるファン層の拡大を狙う。
■アン ドゥムルメステール:公式サイト