トヨタ自動車のロゴ(AFP時事) トヨタ自動車の2025年4〜12月期連結決算は、トランプ米政権の高関税による逆風下でも大幅な増収を達成した。米国を中心にハイブリッド車(HV)販売が伸長したことが主因。さらなる攻勢をかけるべく、28年にはHVの世界生産台数を、26年計画比で約3割拡大する構えだ。
4〜12月期決算では、グループの世界販売台数が前年同期比3.8%増の860万7000台。特に米国ではHVが15.1%増加し84万4000台となった。トランプ政権下での政策転換を背景に、電気自動車(EV)人気が後退したが、得意とする燃費性能に優れたHVへの需要が増えた。
トヨタは、HVの北米現地生産を強化するため、今後5年間で、五つの米工場に計9億1200万ドル(約1400億円)を投じる計画だ。グループ大手のアイシン幹部は「北米でトヨタ向けHV部品の売り上げが増えてきた」と手応えを示す。
一方、収益基盤の安定化にも布石を打っている。ソフトウエアを更新することで性能を高めることができる次世代車「SDV」の普及をにらみ、車の販売後も継続的に利益を生み出す「バリューチェーン収益」に照準を置き、アフターサービスなどを強化。昨秋には、EVを販売した顧客向けの充電サービスを開始。こうしたサービスからの利益を4〜12月期は2兆円規模で確保した。
ただ、米国の高関税措置が、利益を圧迫する状況は続いている。北米事業も販売は好調だが、利益面は振るわない。さらに米中対立の継続や昨年11月以降の日中関係の悪化を背景に、半導体やレアアース(希土類)の調達懸念が高まっている。愛知県の部品メーカーは「在庫はあるが、中期的には代替品も含め、レアアースからの脱却を図っていく」(幹部)と警戒を強めている。