
西武3軍にメジャーリーガーを超えた男がいる。育成7位ルーキーの安藤銀杜外野手(23)だ。6日、高知・越知町内での練習。ロングティーで130メートルの一撃を飛ばした。メジャー通算555本塁打のマニー・ラミレス氏(53)が、四国IL高知での44歳当時にフリー打撃で打った特大弾を超えるという1発。底知れぬ才能の開花が待たれる。
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その瞬間を見届けた人は5、6人ほど。背番号135、安藤の一撃が防球ネットを優に越えて左中間の農具小屋にドーンと当たる。音を聞いた人は20人。「うわっ」「おっ」。叫ばず、むしろ抑えた声量での興奮共有。マニー・ラミレスだけが越えたというネットを、越えた。反発力の小さなロングティーで。
西武は今季、過去最多の101選手が在籍する。高知・春野キャンプでの3軍は早出練習などで対応するため、この日だけ山里のグラウンドを借りた。選手5人、スタッフ12人、ファン2人、記者1人。「練習場所も限られているので、こんなに広い球場でのびのびとやれて感謝です」。思いを表現するかのように、緑の山へ大飛球が伸びた。目撃者の1人は「グーグルマップで測ったら130・6メートルでした」。記者の測定でも131メートルと近似値だ。
中学時代、身長が1年間で14センチ伸び、成長痛は大学3年まで続いた。四国IL徳島では投手。大砲の資質を見抜いた西武が安藤サイドに調査書を届けたのは、ドラフト会議の3日前だった。「指名がなければ野球自体をやめるつもりでいました」。消えかけた才能が救われ、未来の大いなる輝きを予感させている。
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目標はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(33)だ。201センチ、128キロ。「あの身長と体重であそこまで動ける選手はあまりいないので」。早寝で育って198センチ、110キロ、靴のサイズ33センチの肉体を手に入れた安藤にとっても、まぶしすぎる存在だ。
くしくもこの越知町のグラウンドは、首位打者を2度獲得したロッテ角中勝也外野手(38)がその礎を築いた地。安藤もその事実に驚き「自分もいつか」とキングを夢見る。そのためにも「ホームランは、入ればどの距離でもホームランなので」と正確性の習得に今はまっしぐらだ。夜は疲れ切ってすぐ寝る。一夜明けた7日、朝7時には元気にグラウンドに立っていた。【金子真仁】
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