
<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フリースタイル>◇12日◇男子モーグル決勝◇リビーニョ・エアリアル・モーグルパーク
堀島行真(28=トヨタ自動車)が22年北京五輪に続く銅メダルを獲得した。20人による決勝1回目を5位で通過し、上位8人による2回目の第2エアで大技「コークスクリュー1440」を決めて83・44点だった。クーパー・ウッズ(オーストラリア)が83・71点で金、W杯通算100勝を誇るミカエル・キングズベリー(カナダ)が銀と僅差だった。堀島は15日の新種目デュアルモーグルで初代王者に挑む。
◇ ◇ ◇
表彰台で、口を真一文字に結んだ。かけられたのは、4年前と同じ銅メダル。堀島は「金メダルにつながらず、すごく悔しい。この1日、手が届かなかった」と苦い表情を浮かべた。
勝負をかけた。予選を85・42点の圧倒的な得点で首位通過。しかし決勝1回目は採点が伸びずに「想定外」の5位。2回目でコークスクリュー1440(軸をずらした4回転)投入を決めた。高く跳んだ。しかし着地が右にずれて減点。一時はトップに立ったが、2人に抜かれて3位となった。それでも「メダルは満足。1440のおかげで取れた」と大技に胸を張った。
|
|
|
|
周到な準備で、3度目の五輪に臨んだ。18年平昌大会は決勝で転倒し11位。トラウマを抱え、一時は競技をやめかけた。それでも22年北京大会で銅メダル。自信を手にしたが、満足できなかった。そこからの4年で「平昌、北京の反省点を生かした」とストイックな男がさらに競技と向き合った。「金メダルを取る」。北京前は宣言できなかった言葉を、何度も口にした。
イタリアでの26年2月12日から逆算して準備を進めた。24年に拠点をノルウェーに移し、五輪会場と時差ゼロの欧州での生活を選んだ。所属先にプレゼンテーションし、住居やビザを調べて手配。現地の役所に出向き、日本の運転免許証をノルウェーのものに書き換えた。室内練習場に交渉し、モーグルコースを新たに作ってもらった。昨年3月の世界選手権で左膝靱帯(じんたい)を損傷。3カ月のリハビリを経て雪上に戻った。五輪まで練習できる時間を計算し、スケジュールを設定。エアで新しい技をやると決めればシーズン開幕までに100本と決意して飛び続けた。厳しい環境に身を置くのも苦にならない。五輪で結果を出すためなら、何でもやった。
22年11月に女子モーグル北京五輪代表の住吉輝紗良さんと結婚。第1子も誕生した。「心の支えができた。同じ競技者として迷ったときに一緒に考えてくれる」と明かす。五輪レースのちょうど1年前、自身はW杯で海外遠征中だった。代わりに妻に五輪会場を視察してもらった。雪質、温度は、レース時間の影の向きなど細かくチェックして写真を撮ってもらい対策した。大会前に誓っていた「家族に我慢させた分、結果で応えたい」との思い。銅メダルを首にかけて「ギリギリの結果でも応えることができた」と誇った。
五輪2つ目のメダルを手に、15日にデュアルモーグルに臨む。2人同時に滑る新種目へ「すごくいいチャンスだと思う」。五輪3つ目、最も輝く色のメダルへ準備は続く。【飯岡大暉】
◆堀島行真(ほりしま・いくま)1997年(平9)12月11日、岐阜県池田町生まれ。両親の影響で1歳からスキーを始める。岐阜第一高−中京大。初出場の18年平昌五輪は転倒で11位。22年北京大会銅メダル。W杯日本歴代最多通算24勝。世界選手権は25年にモーグル優勝、デュアルモーグル2位、17年には2冠。趣味はけん玉。170センチ、66キロ。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。