
京極夏彦氏や川上稔氏が手がける小説など、ページ数が多すぎるゆえに信じられない分厚さになっている書籍を、尊敬の念を込めて“鈍器”と呼ぶことがあります。
しかし両氏の作品は、どれだけ分厚くても5〜6cm程度。契約書製本の世界に目を向ければ、ひょっとすると赤子も同然かもしれません。
東京・日本橋にある製本会社「小林製本株式会社」(以下、小林製本)がこのほど、公式Xアカウントに投稿したのは背厚(背表紙の幅)が30cmを超える契約書製本の画像。
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テーブルの上に置かれたその契約書製本は、“本”と呼んでもいいのかどうかわからないほどの分厚さ。“厚い”というより、もはや“高い”です。
何気なく立ち読みするのはもちろんのこと、膝の上にのせて読むのさえ難しそうな極厚の1冊。序盤は机に置いてページをめくればいいですが、後半はどうめくればいいのかすらわかりません。
図書館や書店ではまずお目にかかれないサイズの“本”の画像は注目を集め、リプライ欄には「見ただけで有給とりたくなります」「懐に入れといたらライフルでも止まりそう」といった驚きの声が寄せられています。
小林製本のX担当者によると、今回の画像に写っているのはとある法人の契約書製本。業界については、小林製本が直接取引しているわけではないため詳細は不明なものの「建築会社さんからのご依頼だと思います」と話しています。
担当者が背厚から推測するこの契約書製本のサイズ感は「A3サイズが約1000枚、A4サイズが約400枚ほど」だそう。また、重さについては「5kgほど」だそうです。運ぶだけでも一仕事ですね。
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これだけ分厚いと製本にも特別な技術や道具が必要になるのでは……と思いますが、担当者曰く「特に例外的なものでもないので製本の方法は通常と変わりません」とのこと。
「図面をいくつかに分けて下部分からマクラ(厚みを調節するボール紙)を入れていき、それを積み重ねて製本していきます」(担当者)
法人の契約書製本の世界には、この信じられない背厚を持った“本”たちがゴロゴロいるようです。恐ろしい。
しかしなぜわざわざ1冊にまとめるのでしょう。複数冊に分けるのでは駄目なのでしょうか。
担当者にうかがってみると「基本的にお客様の指示に従って製本するので細かい理由はわかりません」としつつ、背厚が30cmを超える場合は分冊を勧めることはあるそう。しかし予算の都合などで1冊のまま進行する場合もあるとのことです。
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「最近では提出先の役所から『◯cm以上は分冊』などの指示がある事がほとんどで、今回の様な製本は珍しくなりました」と担当者。指示がなかった昔は「背厚が50cm、60cmを超える製本がよくあったそうです」と話しています。
背厚50cm超となるともう、本を通り越して、家具ではないでしょうか?
そして一番気になるのが「こんな分厚いものをどうやって読むのか」という点。担当者によれば「恐らく役所に提出するためだけの製本で中身の確認はPDFで行うのではないでしょうか」と答えてくれました。
よかった。この厚みの本をめくらされる人はいないみたいです。
とはいえPDFが存在する前の時代は、30cmを超える契約書製本を物理的にめくらなければならない事態は多々あったはず。下手したらケガもありえるのではないでしょうか?
今までの人生で一番「PDFがある時代でよかった」と思う投稿でした。
<記事化協力>
小林製本株式会社 さん(@kobayashiseihon)
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026021401.html|
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