
今回の配信では、「思春期の子どもの悩みへの向き合い方」に関する相談に、茂木が脳科学と自身の経験からアドバイスを送りました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
中学2年生の息子について相談です。自分から始めた野球がうまくいかず、最近は「もう辞めたい」と言っています。「行きたい高校があるから勉強も頑張る」と言うものの、動画を観ながら宿題の答えを写している様子もあります。
一方で、学校は楽しいようで、放課後は友達と電話やゲームをして過ごしています。思春期の脳について“見守る時期”だと思いつつも、このままで大丈夫なのかと悩んでいます。親としてどのように接すればよいでしょうか?
<茂木の回答>
脳科学の立場から言うと、中学2年生はちょうど「子どもの脳」から「大人の脳」へとつなぎ変わる時期です。この時期は誰でも不安定になり、自分のことが分からなくなったり自信を失ったりすることがあります。
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野球を「辞めたい」と思った背景には、部活動での経験や人間関係など、親には見えない葛藤がたくさんあるはずです。本人に聞いてもすべてを話してくれるわけではないでしょう。
ですから、まずは「辞めたい」という気持ちをそのまま受け止めてあげてください。「辞めなさい」とも「頑張りなさい」とも言わず、「そう、辞めたいという気持ちなのね」と、今の状態をただ肯定するだけでいいのです。
勉強についても同様です。「行きたい高校がある」という目標を持っているのは、とても素晴らしいことです。入試を突破するために、どの程度の成績が必要かは本人が一番分かっています。
親にできるのは、本人が自分を客観的に見つめる“メタ認知”の働きを助けてあげることです。「その高校に行きたいなら、これくらい勉強が必要だよね」と事実を伝えるのは良いですが、親が必要以上に揺れる必要はありません。「行きたい高校があるのね」「じゃあ勉強しなきゃね」と声をかけるだけで十分です。
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むしろ、親は子どもの気持ちを言葉にする手助けをしてあげてください。「うまくいかなくてつらいよね」と共感したり、親自身の経験を話したりするのも効果的です。 私自身も中学時代、卓球部で厳しい先輩との関係や、つらい玉拾いに悩んだ時期がありました。親が「お母さん(お父さん)にも、そんなことがあったよ」と話すだけで、子どもの気持ちはふっと楽になります。
思春期は「自分が何者か」を模索している時期です。そのとき親は、どっしりと構えて子どもを信じ続ける“安全基地”であってください。「あなたの目標を応援しているし、何かあればいつでも話を聞くよ」という姿勢を伝えること。それが、息子さんが自分自身で道を切り拓いていくための、一番の支えになるはずです。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dreamheart/
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