面接で「定年まで働く覚悟はある?」と言われて「定年まで倒産しない自信はありますか?」と返した就活生の結末

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2026年02月20日 06:10  キャリコネニュース

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「定年まで働く覚悟はあるか」――。終身雇用制度が崩壊しつつある現代において、こんな質問を投げかける企業は減っているかもしれない。

東北地方に住む小川さん(仮名、30代男性)は10年ほど前、就活中に遭遇した面接官からこの質問を投げかけられた。

この質問に小川さんは勢いで、あるきわどい質問を投げ返してしまう。その結果、室内は凍りついたという。編集部では小川さんに取材し、その詳細を聞いた。(文:篠原みつき)

「実際にそんなことを聞く人がいるんだ、と笑いそうになりました」

小川さんがその企業を受けたのは、まだ大学生だった頃のことだ。地方都市で展開する、地域密着型の広告代理店だった。

「新聞広告や折り込みチラシ、看板製作などがメインで、新しい時代の波に乗り切れていない印象の会社でした。経営状況は横ばいで、良く言えば安定、悪く言えば成長していない。正直、滑り止めのつもりで受けました」

面接官は2人いた。1人は質問役の30代前後の男性、もう1人は値踏みするような視線を送ってくる50代半ばの男性だった。基本的には“マニュアル通り”といった質問が多く、圧迫面接ということもなかった。

やがて、年配の面接官が口を開いた。

「うちの会社に入社してすぐ辞められるのは困るから、定年まで働く覚悟ある?」

インターネットの掲示板やSNSでネタとして扱われるような、典型的な「昭和的」な質問だった。小川さんは一瞬ポカンとしてしまったという。

「実際にそんなことを聞く人がいるんだ、と笑いそうになりました。憤りというよりは、呆れの感情が強かったですね」

「御社は私が定年になるまで倒産しない自信がありますか?」

この質問に対し、小川さんは即座にこう切り返した。

「では御社は、私が定年になるまで倒産などせず、安定した経営を行える自信がありますか?」

その瞬間、面接室の空気は一変した。

質問をした年配の面接官は、予想外の反撃に言葉を失い、渋い顔をして押し黙った。隣にいた若い面接官も、ポカンとした顔で絶句していたという。

「通常なら最後に軽い質問を受け付けると思うのですが、若い面接官が『その質問には次回の面接で回答させていただきますね。それでは今回の面接は終了とさせていただきます』というニュアンスのセリフで面接を切り上げられました」

変な空気のまま面接は強制終了となった。もちろん、「次回の面接」の案内が来ることはなかった。

若気の至りだったが……

結果は当然ながら不合格だったが、小川さんは本命の企業に合格したため、痛手はなかったという。

当時を振り返り、小川さんは「古い因習に囚われたままの会社なんだなと、面接官の態度で感じました」と語る。新しいことに挑戦しないことが悪いわけではないが、変化を拒む姿勢と、従業員にのみ「覚悟」を強いる一方的な態度に違和感を覚えたようだ。

一方で、自身の振る舞いについては思うところもあるという。

「若かったからと言い訳をするつもりはありませんが、正直褒められた態度ではなかったと思っています。面接練習の気持ちが強かったとはいえ、せっかくの機会だったので最後まで真摯に面接に臨むべきでした」

売り手市場や買い手市場にかかわらず、面接は企業と求職者が対等な立場で対話する場だ。少しやりすぎてしまったと反省している様子だった。

※キャリコネニュースでは「面接で言い返したエピソード」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/TRDY1KX1

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