
「この会社で頑張るのはやめよう」と、やる気を根こそぎ奪われるのはどんな瞬間だろうか。投稿を寄せた40代男性(事務・管理)は、経理職として自社の社長に深い呆れと諦めを感じた出来事を明かした。
男性は「月次のPL・BS・資金繰り資料を、3日かけて作成しました」と振り返る。
「粗利だけでなく、販管費の推移、固定費の増加、子会社合併後の財務体質、キャッシュ残高の見通しまで整理し、『会社の持続性』を見える化するための資料でした」
綿密な資料を用意し、会議に臨んだ男性だったが……。(文:篠原みつき)
「会議には社長はいる。でも、経営者がいない」
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いざ会議になってみると、社長から確認されたのは「いつも通り『粗利はいくらか』だけ」だったという。入念に準備された他のページにはほとんど目も通されず、議論はあっけなく終わってしまった。
「会議には社長はいる。でも、経営者がいない。毎回同じ空気でした」
男性はトップの姿勢に強い虚しさを抱いたようだ。
「課題が山積みの段階で役員報酬が引き上げられた」
男性の不信感はこれだけにとどまらなかった。
「決定的だったのは、子会社を合併し、まだ課題が山積みの段階で役員報酬が引き上げられたことです」
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明確な説明がないままの決定に、男性の胸には失望感が広がった。
「社員には『還元している』と言いながら、自身の取り分は着実に増えていく。その姿を見て、『この人にとって会社は何なのか』と考えました。そして辿り着いた答えは、『自分のお金の一部』という感覚でした」
「前期の利益が減っちゃうよね?」発言にドン引き
さらに決算後、社長から放たれた一言が追い打ちをかける。
「賞与の月掛けを上げるということは、前期の利益が減っちゃうよね?」
これに男性は「賞与引当金の仕組みを理解していない発言でした」と呆れたように書いている。
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そもそも賞与引当金とは、先々に支払う予定のボーナスのうち、「その期間に働いた分」を毎月少しずつ費用として計上しておく仕組みのことだ。月掛け(毎月の引当額)を上げれば増えるのは“当期の費用”であり、前期の利益は変わらない。
「粗利には執着するのに、会計の基本的な構造すら捉えていない」そんなトップの姿に、男性は怒りというよりも深い呆れを感じたという。」
「現場の細部には口を出すが、経営の構造には向き合わない。周囲も『社長はいつもこうだから』と受け入れている」
誰も苦言を呈さない環境では、いくら経理が緻密な資料を示しても馬耳東風だろう。男性はそっと見切りをつけたようにこう書いている。
「その環境で、いくら数字を整えても意味はないと悟りました。あの日、私は静かに『この会社で頑張るのはやめよう』と決めました」
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