能登の“これから”を見つめる11組の表現者たち そごう美術館で復興への思いをつなぐ展覧会

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2026年03月04日 09:20  OVO [オーヴォ]

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山本基《時の積層》部分(2025年)

 能登半島地震から2年。復興の歩みが続く能登の現在と未来を、アーティストたちの視点から見つめる展覧会「能登とartists 能登とともにある、アーティストの思考と行動」が、そごう美術館(そごう横浜店6階)で3月7日から開催される。

 同展には、石川県在住の10組に加え、石川出身の前本彰子を含む計11組が出品。能登への思いを作品に託し、被災地の“今”と“これから”を多角的に描き出す。自宅が倒壊した作家もおり、作品そのものが被災したケースもあるが、彼らはその経験を新たな創作へと昇華させた。キュレーターの高橋律子氏は「アーティストの思考と行動が、能登の復興を支える力になる」と語る。

 展示は「芽吹く」「重ねる」「変わる」「祈る」「歩む」の5つのキーワードで構成。震災後も変わらず芽吹く草花を描く高橋治希氏、震災前後の海岸を撮影し続ける写真家・石川幸史など、自然とともにある能登の姿を捉えた作品が並ぶ。一方、金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム[スズプロ]の《奥能登曼荼羅》や山本優美《わたしのひふはおもたい》など、被災した作品をあえて展示し、地震が刻んだ痕跡を新たな意味として提示する試みも注目だ。

 また、震災を日常の延長として捉える作品群も展開される。高橋稜氏《あの日みたもの》は、遠く離れた場所で地震を知った瞬間の記憶を作品化。自宅を失いながらも地域とともに歩む仮( )-karikakko-、刺繍日記で能登への思いを綴るモンデンエミコなど、作家それぞれの日常に宿る能登へのまなざしが浮かび上がる。

 さらに、震災直後に祈りを込めて制作された前本彰子《青の天使》、地域住民とアーティストが協働したミュージカル「HOME〜Grace for All〜」、被災した黒瓦を用いた山本基《時の積層》、眞壁陸二の奥能登国際芸術祭出品作《青い舟小屋》など、能登への思いを直接的に作品化した展示も並ぶ。
復興の歩みは決して平坦ではない。しかし、アーティストたちが見つめる能登の“これから”は、静かに、確かに芽吹き始めている。本展は、その思いを来場者へとつなぐ場となりそうだ。

 会期は3月7日(土)〜4月2日(木)、会期中無休。入館料は一般1400円(前売1200円)ほか。中学生以下は無料。3月20(金)〜22日(日)の3日間はクラブ・オン/ミレニアム会員は無料入館できる招待日。


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