【野口みずき】価値ある走り見せた佐藤早也伽 光った強風への対応力…日本人も世界と戦える

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2026年03月08日 17:57  日刊スポーツ

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全体2位の日本選手トップでゴールしタイムボード横で写真に納まる佐藤(撮影・森本幸一)

<陸上:名古屋ウィメンズマラソン>◇8日◇バンテリンドームナゴヤ発着(42・195キロ)


世界選手権2大会連続代表の佐藤早也伽(31=積水化学)が、2時間21分56秒で2位となった。前回大会に続き、2大会連続で日本人トップ。最後までデッドヒートを繰り広げ、2連覇したシェイラ・チェプキルイ(ケニア)とはわずか2秒差だった。来年10月3日に名古屋で開催されるロサンゼルス五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。


レースを見守った04年アテネ五輪金メダルの野口みずきさん(47)が、佐藤の走りを解説した。


 ◇   ◇   ◇


佐藤選手は世界に挑戦する走りができた。前回大会からタイムは57秒遅れとなったが、トップとの差はわずか2秒。約6メートルの強風が吹く悪条件を踏まえれば、前回以上に価値のあるレースだったと思う。


特に光ったのは、強風を操るかのような走り。記録を狙うがあまり、気象条件を考慮せずに集団の前へ出てしまうものだが、前半は先頭集団の最後尾や中盤でレースを進めた。体力の消耗を抑えるだけでなく、急なペース変動にも対応できる位置取りだった。さらに他選手がコーナーで大きく曲がる場面では、最短距離で走ってロスを減らしていた。それらの工夫もあり、最後まで勝負ができたと思う。


ただ、勝ち切れなかったことは、次への課題になったと思う。自己ベストで日本記録を約1分半も上回るチェプキルイ選手と同等の走りができたのは収穫だが、世界には2時間16分以内のランナーが19人もいる。佐藤選手はここ2年ほどで距離走を増やしてきたというが、今後はさらに地力を高めるべく、フィジカルやスピードの強化が必要になるのではと思う。


これで今冬のマラソンシーズンが一区切りとなるが、世界との距離は確実に縮まりつつある。1月の大阪国際では初マラソンの矢田みくに選手が36キロ以降で一時首位に立ち、この日は佐藤選手がデッドヒートを繰り広げた。24年に前田穂南選手が私の日本記録を塗り替えてから、流れが変わってきたと思う。日本人でも世界と十分に戦える。これからも自分の限界を超えるような走りに期待したい。(04年アテネ五輪金メダリスト)

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