【弥生賞予想】AIは面白みある一頭を指名 強調材料となった点は?

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2026年03月10日 17:53  netkeiba

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ステラスペース(撮影:下野雄規)
【文・構成:伊吹雅也(競馬評論家)=コラム『究極のAI予想!』】

netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

◆結構な頻度で極端な低額配当決着となっている

AIマスターM(以下、M) 先週は中山記念が行われ、単勝オッズ4.2倍(3番人気)のレーベンスティールが優勝を果たしました。

伊吹 着差以上の完勝と言って良いのではないでしょうか。素晴らしいスタートを決めて1コーナーまでに内ラチ沿いのポジションを確保し、道中は先団のインコースを追走。先に行かせた各馬を射程圏内に入れつつ、後続の各馬に対しても有利な位置取りでレースを進め、そのままゴール前の直線に入っています。やや外めにいたエコロヴァルツ(3着)が残り200m地点のあたりで先頭に立ちかけたものの、そのエコロヴァルツと逃げたセイウンハーデス(12着)の間をこじ開けるように進出し、決勝線手前の急坂で単独先頭に。結局、4コーナー5番手のポジションから伸びてきたカラマティアノス(2着)に対しても1馬身3/4のリードを保ったまま入線しました。

 先週の当コラムからもお察しいただけると思いますが、私はカラマティアノスとエコロヴァルツを中心に据えた3連複2頭軸ながしの馬券で勝負しており、「もちろんレーベンスティールが来ても当たる」「ただ、レーベンスティールが飛んだら大きく儲かる可能性が高い」という状況だったんですよね。そんな私が4コーナーで「……あ、高目で決着する可能性はないな」と観念してしまったくらい、レーベンスティールと鞍上の戸崎圭太騎手が完璧なレース運びを見せた格好。的中してそれなりの利益が出たものの、事前の読みが当たっていたかと言われれば怪しいところで、むしろしっかり反省するべきかもしれません。

M レーベンスティールは自身5度目の重賞制覇。先週の中山記念に加え、2023年のセントライト記念、2024年のエプソムCとオールカマー、2025年の毎日王冠を勝っています。

伊吹 5レースとも東京か中山、すなわち関東圏のレースという点は見逃せませんが、1800mと2200mのレースばかりである点も意識しておきたいところ。一部界隈は400で割り切れない数字の距離を「非根幹距離」、割り切ることができる数字の距離を「根幹距離」と定義していて、重賞以外を含めたレーベンスティールの戦績を振り返ってみると、いわゆる「非根幹距離」のレースは[7-2-1-1](3着内率90.9%)、「根幹距離」のレースは[0-0-0-5](3着内率0.0%)でした。「非根幹距離」のレースに対する適性の高さも、今回の中山記念における勝因のひとつと見るべきでしょう。

M JRAで施行されるビッグレースの大半が「根幹距離」であることを考えると、次走以降は扱いに注意したいところですね。

伊吹 ただ、この中山記念を完勝したことによって、「非根幹距離」向きであるという印象がこれまで以上に強まってしまった気も。距離適性云々を一旦横に置けば、大舞台でも十分に勝ち負けできる能力の持ち主だと思います。こういった状況や、次走以降で実際についたオッズも確認しつつ、今後の付き合い方を柔軟に考えていきましょう。

M 今週の日曜中山メインレースは、本番と同じコースで施行される皐月賞トライアル、弥生賞。昨年は単勝オッズ16.9倍(7番人気)のファウストラーゼンが優勝を果たしました。ちなみに、その2025年は単勝オッズ4.5倍(2番人気)のヴィンセンシオが2着、単勝オッズ9.9倍(5番人気)のアロヒアリイが3着という結果で、3連単8万5910円の決着となっています。

伊吹 過去10年の弥生賞における3連単の配当を振り返ってみると、平均値は9万4814円でしたが、中央値は2万4380円どまり。大きく荒れた年もある一方で、2000円未満の年が3回、3万円未満の年が6回ありましたから、見方によっては堅く収まりがちなレースです。

M 過去10年の単勝人気順別成績を見ると、上位人気馬の好走率はまずまず優秀。無理に逆らわない方が良いかもしれませんね。

伊吹 ちなみに、単勝7番人気から単勝9番人気の馬は2016年以降[2-1-2-25](3着内率16.7%)、単勝10番人気以下の馬は2016年以降[0-0-0-21](3着内率0.0%)でした。超人気薄の馬がまとめて上位に来る可能性はそれほど高くないと見るべきでしょう。

M そんな弥生賞でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ステラスペースです。

伊吹 面白いところを挙げてきましたね。注目度がそれほど高くないとはいえ、単勝二桁人気クラスということはないはず。

M ステラスペースは2勝馬。2走前に今回と同じコースのレースを勝ち上がり、オープン入りを果たしています。前走の京成杯は5着どまりだったものの、勝ち馬グリーンエナジーとのタイム差はわずか0.3秒。伏兵として魅力を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

伊吹 これまでに連対を果たした3戦は、いずれも12頭立て以下の少頭数。今回は特別登録を行った馬が12頭しかいないので、そのあたりがプラスに働く可能性もありそうです。Aiエスケープが絶好の狙い目と見ていることを踏まえたうえで、好走馬の傾向とステラスペースのプロフィールを見比べていきたいと思います。

M 真っ先に注目しておくべきポイントはどのあたりでしょうか?

伊吹 近年の弥生賞はノーザンダンサー系種牡馬の産駒が圧倒的に優勢。2023年以降の過去3年に限ると、父にノーザンダンサー系種牡馬を持つ馬は[2-2-1-1](3着内率83.3%)です。一方、父がノーザンダンサー系種牡馬でないにもかかわらず3着以内となった4頭は、いずれも今回と同じコースのレースをステップに臨んだ馬でした。

M 血統や臨戦過程が重要、と。

伊吹 ちなみに、今年はノーザンダンサー系種牡馬の産駒が一頭も特別登録を行っておりません。例外的な決着となる可能性もありますが、やはり基本的には前走が中山芝2000m内のレースだった馬を重視するべきだと思います。

M 先程も触れた通り、ステラスペースの前走は今回と同じコースで施行された京成杯。この臨戦過程は強調材料のひとつと言えるでしょう。

伊吹 あとは距離適性も素直に評価した方が良さそう。同じく2023年以降の3着以内馬9頭中8頭は、“JRAの、1800m超のレース”において“着順が1着、かつ上がり3ハロンタイム順位が4位以内”となった経験を持つ馬でした。

M 1800m以下のレースしか勝っていない馬や、先行力の高さを活かしたいタイプはあまり強調できませんね。

伊吹 おっしゃる通り。今年はこの条件をクリアしていない実績馬が多いので、しっかり確認しておいた方が良いと思います。

M ステラスペースは4走前の2歳未勝利で初勝利を挙げていますが、この時のコースが新潟芝2000m内で、上がり3ハロンタイムは出走メンバー中3位タイ。この条件をクリアしている側の一頭です。

伊吹 さらに、同じく2023年以降の3着以内馬9頭中8頭は、前走の着順が4着以内、かつ前走の条件が新馬・未勝利でない馬でした。

M 大敗直後の馬、初勝利を挙げた直後の馬は、ほとんど上位に食い込めていません。

伊吹 今年も、実績面や直近のパフォーマンスが心許ない馬は過信禁物と見るべきでしょう。

M ステラスペースは前走が重賞の京成杯だったものの、着順は5着どまり。厳密に言うとこの条件をクリアしていないのですが……。

伊吹 まぁ、前走の格や着差を考えると、この点だけを理由に嫌う必要はまったくありませんよね。今年は私の挙げた条件を綺麗にクリアしている馬がほとんどいないので、このステラスペースも積極的に狙うつもりでした。他ならぬAiエスケープが有力と見ているのであれば、さらに高く評価しても良さそう。実際のオッズを確認したうえで、買い方をじっくり考えたいと思います。

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