
「大場は昨年から体調を崩していましたが、2月下旬に倒れて26日に、敗血性ショックのため亡くなりました。74歳でした」
そう語るのは「頭皮ケアサロンOHBA」のスタッフ。
「OHBA」の代表である大場隆吉さんは’07年から’17年まで宮内庁の御理髪掛として、上皇さまや天皇陛下のご調髪を担当した。
「隆吉さんの祖父・秀吉さんと父・栄一さんは昭和天皇の御理髪掛で、3代にわたって“天皇の理髪師”を務めたことになります。
隆吉さんは’17年以降も、’23年まで常陸宮さまのご調髪を続けていました。亡くなられた後に、常陸宮妃華子さまからお花が届けられたそうです」(皇室担当記者)
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御理髪掛は天皇のお体に刃物をあてる。大場さんは御代替わり前の’17年、その覚悟や使命について本誌にこのように語っていた。
「御用を拝命したときから、真冬であっても、洗面器で30杯ほどの清めの冷水を浴びてから参内しています。
天皇陛下や皇太子さまは、つねに人目があるなかで、私たちの想像以上に気を遣った日常を過ごされています。ですから私はただ髪を切り整えるだけではなく、この時間だけでもリラックスしていただき、全身のお疲れがとれるようにと、極上のおくつろぎの時間にすることが、私の真の使命だと思っていました」
■黒澤作品のDVDを差し上げたことも
天皇陛下が皇太子時代にお住まいだった東宮御所にはご調髪用の専用室があったが、’08年に1年にわたる改修工事を行った際、陛下は赤坂にある大場さんのサロンに通われた。
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あるときサロンにBGMが流れていたことから、音楽が話題にのぼった。大場さんは’23年にその思い出も明かしている。
「陛下は歌謡曲などお聴きにならないと思っていたのですが、『そんなことないですよ。石川さゆりさんが好きです。「津軽海峡・冬景色」がいいですね』とお話しになりました。
サザンオールスターズの曲などもお好きなようでした。『ほかに印象に残っている曲はありますか』とお聞きしましたら、南こうせつとかぐや姫の『神田川』をあげられたのです。
『“三畳一間”なんて実感がわかないのではないですか?』とお伺いすると、『私もイギリス留学時代には寒い部屋で過ごしましたし、寂しい思いもしましたから、実感としてわかります』と、おっしゃっていました」
また別の日は、黒澤明監督の映画の話題で盛り上がったことも。
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陛下はほぼご覧になっていたが、志村喬主演の『生きる』は未見だとおっしゃったため、大場さんがDVDを差し上げたという。
陛下を癒されようと全身全霊で臨んでいた大場さん。陛下はご調髪後にいつも笑顔で「頭がすっきりして疲れがとれました」と感想をお話しになったそうだが、その秘訣は、頭皮にふれたことすら感じさせないほどの柔らかなタッチだった。
「大場は『ふやそシャンプー法』として、亡くなる前まで普及に務めていました。『ふわっとふれ始め、やさしく指の腹を沈め、そっと離す』といった方法です」(前出・「OHBA」のスタッフ)
大場さんの訃報に接し、天皇陛下も“ご調髪室での交流”にお心を馳せられたことだろう。
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