
「皇室典範は、皇位は皇統に属する男系男子がこれを継承すると定めており、認められません」
3月16日の参院予算委員会でこう答弁した高市早苗首相。この答弁は、立憲民主党の蓮舫参院議員による「現行法規で愛子さま、女性天皇は誕生できません。では、維新と自民党の連立政権合意と総選挙の公約に掲げた皇室典範改正では、女性天皇は認められますか」と質問された際に返したものだった。
「蓮舫氏は続けて、『世論は6割、7割、8割、「愛子天皇」を認めるという声があります。女性天皇容認とも。総理は女性天皇(を認めること)への法改正に歩みを進めることはありますか』とも質問していました。
これに高市首相は『政府の有識者会議の報告も、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、“この継承の流れをゆるがせにしてはならない”となっている』『報告書を政府としては尊重している』と発言するにとどまったのです」(全国紙政治部記者)
高市首相はこの日の答弁では一貫して、女性天皇や「愛子天皇論」に対して否定的な考えを示した。だがこれまで高市首相は、女性天皇自体は容認する考えを示してきた。『文藝春秋』の2022年1月号では、以下のように述べたこともあった。
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《私は、女性天皇には反対をしていません。女系天皇に反対しているのです》
「“女性天皇”は男性の天皇から皇位継承をした女性の天皇を指し、“女系天皇”は性別にかかわらず、“女性天皇”から生まれた皇位継承者を指します。もし仮に愛子さまが天皇となった場合は “女性天皇”であり、愛子さまにお子さまが生まれ、その方が天皇になった場合は、性別を問わず“女系天皇”となります。
高市首相は今年2月の衆院予算委員会でも、『過去には男系の女性天皇がいらしたことは歴史的な事実です。過去の女性天皇を否定してしまうことは不敬にあたる』と発言しています。ただこの発言は波紋を呼び、木原稔官房長官が定例記者会見で、首相の答弁は皇位継承のあり方ではなく、皇族の養子縁組を念頭に置いた発言だと釈明に追い込まれました。あくまで政府が国会に提出している有識者会議の報告書が前提となっていることを繰り返し強調する形となったのです」(皇室担当記者)
これまで国会では皇族数の確保策に関して、(1)女性皇族が結婚後も身分保持する案、(2)旧宮家に連なる男系男子の養子縁組を可能する案、この2つの案を軸に議論が進められてきた。
「自民党は2月の衆議院選挙の際、(2)の養子縁組案を第一に優先して皇室典範の改正を目指す、と公約に掲げていました。また2月の予算委での発言も、現状では政府から国会に“ボールを投げている”段階で、ここまで国会で議論している論点とは異なる皇位継承のあり方に関する内容であり、いわば“前提をひっくり返す”ことにもつながりかねないことでもあったのです。
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さらには、男系男子による皇位継承の堅持というスタンスを軸に自民党案をまとめてきた党内保守派にも、動揺を広げました。それは、党の方針と大きく異なる内容を現職の総理総裁が発言してしたからです。こうした事情が背景にあるからこそ、参院予算委では“トーンダウン”する形で、高市首相は女性天皇に否定的な考えを示したのでしょう。
しかし、発言内容が二転三転していることに不信感を抱く国民も少なくないはずです。女性天皇ならびに『愛子天皇待望論』を望む層からは、日本初の女性首相として期待する向きもあったわけで、あらためて女性天皇を否定する発言があったことに、批判の声が上がっているのです」(前出・皇室担当記者)
SNS上でも、高市首相が女性天皇に否定的な考えを示したことに対し、批判の声が集まっている。
《女性総理なのに、女性の人権を考えていない》
《女性が天皇になれないというのを女性初の総理大臣が言うのがもう》
《以前、高市さんは女性天皇を否定してなかったよね?》
《#ダブルスタンダード 選挙前には女性天皇には反対しないて言って国民を騙した》
猛然と上がった国民の批判に、これから高市首相はどのように向き合うのか――。
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