
今回はAll About編集部が全国10〜70代を対象に実施した「物価高で我慢していること」に関するアンケートからユーザーのリアルな生活実態を紹介しながら、家計管理のポイントについて、ファイナンシャルプランナーでAll About 家計簿・家計管理ガイドの二宮清子さんが解説します。
買い置きしていたけれど
今回紹介するのは、鹿児島県に住む41歳女性の生活実態です。【鹿児島県在住41歳女性世帯、1カ月の出費内訳】
・家族構成:既婚(子あり)
・職業:無職(転職活動中)
・世帯年収:450万円
・貯蓄:50万円以下
・家賃(住宅ローン):6万2000円
・間取り:一軒家
・食費:8万〜9万円
・交際費:1万円以下
・電気代:1万〜2万円
・ガス代:1万円前後
・水道代:6000円前後
・車の維持費:2万円(2台分)
女性は、物価高によって、以前は当たり前に買っていたものの、買い控えるようになったものがあるといいます。
「インスタント食品やお菓子を非常用としても買い置きしていましたが、その余裕がなくなりました。現在は食べる分だけ、洗剤やティッシュなどもなくなったら、その都度買うようにしています。非常用を買うことで、一時的に支払いが多くなることや、気付けば賞味期限が切れていることもあったので」
買わなくなったインスタント食品やお菓子、洗剤は「食事や日常生活に直結するもの。しかし、代用は難しいため購入頻度を下げました」と、家計のやりくりの厳しさがうかがえました。
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袋入り菓子を買わなくなった理由
物価高による影響は家計だけではなく、スーパーやコンビニで販売されている商品にも及んでいます。販売される商品の価格は変わらないまま内容量が減っていく、いわゆる「ステルス値上げ」はSNSでたびたび話題になります。女性は「袋入り菓子のチョコレート」にステルス値上げを感じているといいます。
「私の中で袋入り菓子は、たくさん入っていてお得感があるものだったのに、内容量が減っていて、がっかりして買わなくなりました」
女性は「周囲の物が高くなる中で、値段が以前と変わらなければ、つい手に取ってしまうけれど、中身がスカスカなことに非常に残念な気持ちになります」と、不満を抱いている様子。
また、物価高の影響は女性の「娯楽・趣味」にも。
「以前はおいしそうなお店を探して、家族で出かけるのが楽しみの1つでした。今も、インスタグラムなどで食事処を見るけれど、行かなくなりました。物価高で外食に行くと高くつくため、家で食事をとることが増えました」
我慢して棚に戻しました……
また最近は、本当は食べたいのに、値段を見て泣く泣く棚に戻した切ない経験もあったそうで……。|
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いろいろなことを我慢しなければいけない状況の中、女性は「子どもが欲しがるもの」だけは削りたくないといいます。
「子どもの頃、食べたいお菓子を買ってもらえなかったり、周りが持っているのに自分だけそのおもちゃを買ってもらえなかったり、悲しい思いをしました。自分の子どもには、我慢させたくないので、大人が我慢して浮いたお金でできるだけ買うようにしています」
「削る支出」と「守る支出」を分けて考える
二宮:今回のエピソードからは、物価高の中で家計をやりくりする大変さと同時に、「子どもには同じ思いをさせたくない」という親としての強い思いが伝わってきました。その気持ちはとてもよく分かります。筆者も、多くの家庭の家計相談にのる中で、子どもに関することだけは我慢させたくないという親御さんの声をよく耳にします。
そのうえで、もしできれば、買い物の中で「どれを選ぶか」「本当に必要か」を子どもと一緒に考える時間をつくることも、将来の金銭感覚を育てるよい機会になるのではないでしょうか。
・物価高時代の家計管理のポイント
物価高時代の家計管理では、すべてを削ろうとするのではなく、「削る支出」と「守る支出」を分けて考えることがポイントです。特に教育費や子どもの体験費用、健康に関わる食費などは、無理に削り過ぎない方がよいでしょう。
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・物価高時代を生き抜くために必要なこと
物価高の時代に消費者に求められるのは、「値段」だけでなく「価値」で物を選ぶ力です。同じお金を使うなら満足度の高いものを選び、無駄な支出は減らすといったメリハリのあるお金の使い方が大切です。
また、現在のようなインフレ下では、支出を減らす努力だけでは家計が疲れてしまいがちです。家計を守るためには、収入を増やす工夫や、計画的に貯蓄を行い、必要に応じて資産運用も取り入れるといった「お金を育てる視点」も大切になります。
物価高の時代だからこそ、収入・支出・貯蓄・運用のバランスを考えながら、長い目で家計を整えていくことが、これからますます重要になっていくのではないでしょうか。
【二宮清子プロフィール】
家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャルプランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。All About 家計簿・家計管理ガイド。
<調査概要>
物価高で我慢していることに関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2026年2月5〜6日
調査対象:全国10〜70代の250人(男性:77人、女性:168人、回答しない:4人、その他:1人)
※回答者のコメントは原文のまま記載しています。
※本記事の出費内訳はアンケートの回答に基づいた「主な項目」のみを記載しています。回答に含まれない社会保険料や税金、民間の保険料、不定期な支出、使途不明金などは考慮されていないため、収支合計が一致しない場合があります。
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値などは、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。
(文:二宮 清子)

