「みなさんが『美味しい』と思える料理を」アジア制覇のなでしこジャパン、W杯優勝へニールセン監督が求める「執着心」

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2026年03月23日 19:08  サッカーキング

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ニルス・ニールセン監督が思い描くなでしこの未来
 なでしこジャパンが「AFC女子アジアカップ2026」を制し、2大会ぶり3度目のアジアの頂点に立った。

 オーストラリアで1日から21日まで行われていた今大会。FIFAランキングでもアジアトップに立つ日本は、大会6試合を通じて29得点1失点。全勝で見事にアジア女王の座に輝くこととなった。

 2024年12月にニルス・ニールセン監督が就任してから、およそ1年が経過して迎えた大きな大会。2025年7月に行われた「東アジアE-1サッカー選手権2025」では国内組中心のメンバーで優勝を逃した中、アジアの頂点をかけた戦いには海外組を中心とした編成で臨み、その強さを見せつけた。

■決勝の苦戦で見えた「流れを引き寄せる力」と精神的成長

 2027年にブラジルで行われる女子ワールドカップの出場権も懸かっていた今大会。見事に出場権を獲得したものの、まだまだ世界との差はある状況だ。ニールセン監督は「自分たちは今、正しい道を進んでいると思う。本当に力強く進んでいると思うし、決勝戦に関しては確かに難しいゲームだった。自分たちのやりたいことができない時間もあったが、W杯を考えると自分たちの良さを出せない相手というのは今後出てくる可能性がある。その中でどうやって自分たちのスタイルを出していくかというところで、本当に色々な対戦相手がいると思うので、自分たちの流れではない時にどうやって自分たちに流れを手繰り寄せるか、引き寄せるか、というのが大事。決勝戦に関しては本当に選手たちが非常に強い覚悟というか、決意を持って、難しい試合ではあったものの、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と試合巧者ぶりも見せられた大会だったと振り返った。

 課題についても言及したニールセン監督。「戦術的にはより良くなっていかなければいけない。そこに関しては時間をもらい、テクニカルスタッフとしっかり話し合って、どういったところを向上させていかなければいけないかを話せれば」とコメント。「戦術的にも、フィジカル面でも、まだまだ向上する面はいっぱいあるが、日本代表選手は小さいものの力強さがないというわけではない。相手に関わらず自分たちの持っている力強さを出せるという心構えを、この決勝戦で見せられた」と、メンタル面での成長は発揮できたと手応えを語った。

 世界を知るニールセン監督は就任から1年で、1つの目標であったアジア制覇を達成。次のフェーズに入っていく中で「まだまだ向上していかなければいけないところはたくさんある。選手は非常にポテンシャルは高いが、ポテンシャルだけでは十分ではない。それを上手く掛け合わせて一つ素晴らしいものに作っていくということが、これから必要だと思う」とコメント。特に決勝戦は狙い通りの戦いはできなかったとしながらも、「タフな試合もあって、本当に痛みとか疲れとかもあったとは思うが、選手がそれでもやり切るということ。そういったものがないと、いくら素晴らしいトレーニングができていたとしても、最後の執念っていうのがないと、なかなか勝ち切ることはできない。今回は本当に選手がその執念というのを見せてくれた」と、精神的な部分が大きく結果に出たと振り返った。

 W杯までは1年以上ある中で、さらなるチームの強化が求められるなでしこジャパン。海外組が中心となっている中で、WEリーグを戦う国内組の底上げも重要になる。6月にもキャンプを国内で行う予定とのことだが、「(9月に)アジア競技大会が日本であるということで、その時は国内組をメインに選出することになると思う。そういったところからより底上げを図っていきたい」とコメント。監督就任後にも多くの選手がWEリーグから海外へと羽ばたいているが「まだWEリーグには非常にポテンシャルのある選手がいるので、お互いにキャンプなどを通じてよりWEリーグの選手を見出していきたいなという風に思っています」と、国内組にも期待を寄せた。

■「美味しい料理を作りたい」日本の文化と調和し、世界の頂点へ

 ここからもうワンランク上に行きたいなでしこジャパン。ニールセン監督は就任してから1年が経ち「いかに日本の伝統だったりとか文化と調和していくかということで、正直なところ簡単ではなかった」と率直な感想を述べ、「どういった方法をとれば選手によりフィットするかというところを、色々な試行錯誤をしながら、今までもアイデアだったりアプローチはしてきた。何が選手の基礎にあるのかというのをしっかり見極めながら、どういう風にすればいいのかなということで、メンタル面もフィジカル面も戦術面も、色々なベストな方法を手探りしながらやってきた」と、選手たちを見極めながら働きかけてきたと回想。佐々木則夫女子委員長の力も大きかったとしながら「みなさんが見て『美味しい』と思えるような料理を作りたいと思っている。それができれば、W杯優勝というのも見えてくるのかなと。毎日毎日色々なプロセスを経て、勝つには何が必要かということに執着しながらやっています」と、しっかりと世界の頂点を見据えながら、着実に成長していくプランで強化を図っていくようだ。

取材・文:菅野剛史(サッカーキング編集部)

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