
ハイエンドスマートフォンに搭載されるカメラは、画素数といったスペック上の競争から、色表現や独自モードといった体験、個性の部分で競う形に移りつつある。ユニークなのが、世界的カメラメーカーと協業した独自路線を行くメーカーが増えていることだ。
代表的なのがライカカメラだろう。かつてはHuaweiと協業し、現在はシャープのAQUOSシリーズにおいてもカメラ監修を行っているが、中国ではライカ特別モデルを発売するなど、近年はXiaomiと強固なパートナーシップを築いている。
Xiaomiとライカのあとを追うように、中国メーカー×カメラブランドとしてタッグを組んだのが、OPPOとハッセルブラッドだ。日本でもハッセルブラッド監修スマートフォンが発売されており、最新機種は発売後すぐに一部販路にて在庫がなくなるほどの注目を集めている。
本記事では、「2025年発売のカメラブランド監修カメラを搭載したスマートフォン」として、「Xiaomi 15」と「OPPO Find X9」の写真を見比べていく。あらかじめ伝えておきたいのは、優劣を付けるものではなく、あくまでどちらが好みかという要素が大きくなるため、「自分はこっちが好きだな」「この仕上がりがいいな」という気持ちで見比べてもらえれば幸いだ。
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●いずれも3眼構成のハイエンド仕様
まずは2機種のカメラについて、スペックを確認していこう。
Xiaomi 15は5000万画素広角(F1.62)、5000万画素超広角(F2.0)、5000万画素望遠(F2.2)の3眼構成。超広角カメラは画角115度、望遠カメラは光学2.6倍、デジタルズームは最大60倍となる。
OPPO Find X9も5000万画素広角(F1.6)、5000万画素超広角(F2.0)、5000万画素望遠(F2.6)の3眼構成となる。超広角カメラは画角120度で、望遠カメラは光学3倍、デジタルズームは最大120倍となる。
画素数で見ると、2機種とも5000万画素でそろっているが、それぞれ協業したカメラメーカーのチューニングには大きく方向性の違いがある。
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●ロマンチストなXiaomi 15とリアリストなOPPO Find X9
まずは2機種のメインカメラで撮影した写真を見比べていく。
Xiaomi 15は色を濃く、鮮やかに仕上げる印象で、簡単に雰囲気のある写真が撮影できるのが特徴だ。スマートフォンのカメラらしい補正も強く感じられ、色味を編集したかのような写真を手軽に撮影できる。
カメラアプリ起動時に右上のアイコンをタップすると、Leica Vibrantモード(ライカバイブラント)とLeica Authenticモード(ライカオーセンティック)を切り替えられる。Leica Authenticモードの方が、よりLeicaらしいエモーショナルなニュアンスが強くなるので、Leica監修カメラが目当てでXiaomi 15を購入する人はこちらが好みなのではないだろうか。
OPPO Find X9は、派手な表現をするというよりは、目で見た景色をそのまま写真に落とし込むような印象を受ける。細かなディテールを忠実に表現する力に長けており、シーンを選ばずに使いやすいカメラだと感じる。
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特に料理を撮影するシーンなどは、Xiaomi 15だと色味の補正やボケ感が強すぎる印象を受けることがあるが、OPPO Find X9はリアルな色彩、ほどよいボケ感に仕上がりやすい。ロマンチックなXiaomi 15と、リアリティーを重視するOPPO Find X9で、それぞれカメラブランドが目指しているチューニングがよく感じられる。
色表現の違いは夜景撮影でも強く感じられる。コントラストの強いXiaomi 15は、黒色の表現が非常に深く、明暗差がはっきりとした写真が撮影できる。OPPO Find X9は、全体を明るく立ち上げ、精細さをキープした状態に仕上がる。
●表現力と安定感に違いが出るポートレートモード
ボケ感の演出は、やはりポートレートモードで撮影することで、方向性の違いをより強く感じられる。Xiaomi 15は中央にピントをバチっと当て、周辺を強くぼかす。色味の表現はそのままなので、よりライカらしさが演出できる。被写界深度だけでなく、「渦巻ボケ」「ソフトフォーカス」といった形で、ぼかし方にもバリエーションがあり、表現の幅が広いのが特徴となる。
OPPO Find X9はポートレートモードもリアルを突き詰める印象で、ボケ感は優しめ。こちらも被写界深度の調節はでき、Xiaomi 15よりも表現の幅は狭いが、その分安定してきれいな写真を撮影できる。スマートフォンのカメラは、サッと構えて瞬時に使いたいシーンが多いため、安定感のあるOPPO Find X9のカメラ機能は非常に好印象だ。
●超広角カメラは解像感に差が出る
超広角カメラでの撮影は、それぞれが目指す完成図の違いがはっきりと感じられる。
Xiaomi 15は色味の表現に力を入れることで、明るくパキッとした写真が撮影できる一方で、写真を拡大した際の解像感がやや低下している印象を受ける。OPPO Find X9は色味の補正が控えめなため、一見暗い写真に見えるが、拡大してチェックしても精細さがある程度維持されている。
風景全体を一枚画として切り取るにはXiaomi 15が向いているが、画角を広く捉えておき、あとから拡大して細部まで見たいという使い方では、OPPO Find X9の方が使いやすい。広角カメラ同様、はっきりと好みの分かれる仕上がりといえる。
●望遠カメラは光学倍率、テレマクロ撮影にも注目
望遠カメラはXiaomi 15が光学2.6倍、OPPO Find X9が3倍となり、それぞれ5倍、6倍の光学相当ズームも利用できる。
Xiaomi 15の2.6倍光学ズーム、5倍光学相当ズームは色味の補正もしっかり入り、きれいな写真が撮影できる印象だが、使っていて特に楽しいのが10センチまで寄れるテレマクロ撮影。ライカらしいボケ感との掛け合わせが使っていて気持ちいい。
デジタルズームは最大60倍だが、10倍あたりから解像感はだんだん落ちていき、解像感の低下が目立ち、あまり実用的ではない印象だ。
OPPO Find X9も光学3倍、光学6倍相当のリアルな表現力が高く、広角カメラと変わらない感覚で使えるのが気持ちいい。広角、超広角、望遠とカメラを切り替えている感覚があまりなく、いかなる撮影方法でもハッセルブラッドらしい一定水準の仕上がりになるのがポイントだ。ただし、Xiaomi 15と比べると、被写体に寄った際のピントの合い方には甘さを感じるシーンが多かった。
●ライカ、ハッセルブラッドの独自撮影モードも面白い
ライカのXiaomi 15、ハッセルブラッドのOPPO Find X9と、それぞれが独自の撮影モード、フィルターを用意しているのも面白いところだ。
Xiaomi 15の場合、先に触れたLeica VibrantモードとLeica Authenticモードの他、ライカ由来のフィルターを使って写真の仕上がりを変更できる。ライカの代名詞といえる、モノクロ写真風のフィルターが数種類用意されているため、手軽にライカらしさをスマートフォンから楽しめる。
OPPO Find X9もフィルターから画質の調節ができる他、ハッセルブラッドのパノラマカメラを再現した「XPANモード」も利用できる。65:24という独特なアスペクト比になっており、かなり横長の写真になるため、一般的なスマートフォンカメラとは懸け離れた仕上がりになるものの、広く風景を収めたいシーンや、高い建物を撮影するシーンで重宝する。
また、マスターモードはハッセルブラッドの「Hasselblad X2D」に近い色表現ができる撮影モードとなっており、コントラストの強い、雰囲気のある写真の撮影ができる。手動でシャッタースピードやISO感度の調節も行えるので、カメラ愛好家も使っていて楽しいのではないだろうか。
●コンセプトがはっきりと分かれるスマートフォンカメラの楽しさ
冒頭でも触れたように、Xiaomi 15とOPPO Find X9にてどちらが優れたカメラを搭載しているというわけではなく、そもそものコンセプト、チューニングに大きな方向性の違いがあるため、あくまでどちらが好みかが重要になる。
2機種を使い比べ、それぞれの特徴を一言でまとめるなら、エモーショナルな雰囲気作りがうまく、構図がハマった状況での仕上がりは息を飲むほど美しくなるXiaomi 15のライカカメラと、リアルな色表現を得意とし、3つのカメラで安定して精細な写真が撮影できるOPPO Find X9という印象だ。
「スマートフォンの機能向上は頭打ち」「カメラの数字ばっかり競っている」といわれることもある中で、それぞれカメラブランドと協業し、数字以外の要素で差別化を図るようになっているのが、1ユーザーとしても、1ライターとしても素直に喜ばしく思う。
カメラはあくまでスマートフォンを構成する1要素でしかないが、その一部を切り取ってもこれだけコンセプトに違いが出るのが、現代のハイエンドモデルだ。スマートフォンの購入時には、スペックシートにとらわれず、それぞれの機種が持つ個性、コンセプトに着目して吟味してみると、長く愛せる相棒と出会えるはずだ。
(製品協力:Xiaomi Japan、オウガ・ジャパン)
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