<高松宮記念>“3強決着”ではない?短距離なら「川田>ルメール」と言い切れる理由

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2026年03月28日 08:40  日刊SPA!

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ナムラクレア
写真/橋本健
 G1ウイナー4頭を含む14頭が重賞ウイナーという、好メンバーがそろった今年の高松宮記念。前評判通りなら、サトノレーヴ・ナムラクレア・パンジャタワーの3頭が3強を形成することになりそうだ。
◆実績拮抗の“3強構図”をどう読むか

 連覇を狙うサトノレーヴは7歳馬ながら、まだキャリア17戦目。丸1年間、勝利がなく目下4連敗中だが、4戦のうち3戦が海外競馬だった。

 1番人気に支持された昨秋のスプリンターズSは中団からレースを運び4着に敗れはしたが、前有利な馬場も影響したか。今回は騎手リーディングを独走中のC.ルメール騎手が騎乗し、連覇を達成する可能性は十分あるだろう。

 そのルメール騎手が近走の手綱を取っていたナムラクレアは、1年7か月ぶりに浜中俊騎手と再コンビを結成する。サトノレーヴと同じ7歳馬だが、こちらはすでにキャリア25戦目。高松宮記念は3年連続2着の舞台。陣営も今年こその気持ちが強いだろう。

 今年の中京芝は外差しの傾向が続いており、今の馬場なら悲願のG1制覇も夢ではない。

◆パンジャタワーの距離適性に注目

 3強の中で最も年齢的な上積みが期待できるのが、昨年のNHKマイルCを制したパンジャタワーだろう。近2走はオーストラリアとサウジアラビアでいずれも5着に敗れているが、2戦2勝の1200m戦なら上位争いに加わる可能性は高い。

 管理する橋口慎介調教師も「(1200mは)ベストの距離」とコメントしており、混戦が続く短距離界で“世代交代”を印象付ける可能性は十分あるだろう。

◆G1馬ママコチャの「復活を後押しする好材料」とは

 そんな3強を追う筆頭候補が、こちらもG1馬のママコチャである。

 ママコチャは、ナムラクレアと同じ7歳牝馬で、4歳時にスプリンターズSを制覇。その後は12戦1勝(25年オーシャンS)と勝ち切れていないが、大崩れしない堅実な走りを続けている。

 高松宮記念には過去2回出走し、2024年が3番人気で8着、2025年は6番人気で3着。管理する池江泰寿調教師は「中京の1200mは結果が出ていないなというイメージ」と話すが、戦績を見る限り、右回りよりも左回りでの成績が上。前走のオーシャンSは4着に敗れたが、勝ち馬とは0秒1の僅差だった。

 池江師も「叩き良化型ですので、一回使った上積みはある」と、強気のコメントを残しており、2年半ぶりのG1制覇も夢ではないだろう。

◆「短距離は川田を買え」と言っても過言ではない“輝かしい実績”

 3強からやや離れた4番人気に落ち着きそうなママコチャだが、何より心強いのが鞍上・川田将雅騎手の存在である。2年半前のスプリンターズSを初コンビで制して以降、主戦を務めているが、この距離なら黙って買いが正解だ。

 競馬界には「長距離は騎手で買え」という格言があるが、「短距離は川田騎手を買え」もあながち間違っていない。

 川田騎手といえば、長距離が苦手という評価がファンの間で定まっている。先週に行われた3000mの長丁場、阪神大賞典でも川田騎手は2番人気のダノンシーマに騎乗したが3着まで。長距離レースのお手本のような騎乗でアドマイヤテラを勝利に導いた武豊騎手とは対照的な騎乗だった。

◆川田将雅が短距離で無類の強さを誇る理由

 しかし、川田騎手とすれば、先週の3000mから1200mへの大幅な“距離短縮”は大いにプラスに出るだろう。

 2020年以降の距離別成績を見ても、川田騎手はルメール騎手を凌ぐ成績を収めている。

【川田VSルメール 距離別勝率、2020年以降】

1200m以下/1300〜2400m/2500m以上

川田将雅​:27.0%/27.3%/23.5%
ルメール​​:19.9%/26.1%/30.4%

 上記の通り、川田騎手は長距離戦で大きく成績を落としているわけではない。むしろどの距離でも高い勝率を誇っていることがわかる。

 川田騎手といえば競馬界屈指の腕っぷしの強さが魅力のジョッキー。馬上で見せる派手なアクションは、折り合いをより重視するルメール騎手や武騎手のそれとは一線を画す。

 いい意味でも悪い意味でも“馬を支配する”タイプの騎手といえるが、それが長距離戦では仇になることも少なくない。逆に短距離戦では、それがプラスに転じているのだろう。

◆ルメールの弱点はスプリント戦?数字が示す意外な傾向

 一方のルメール騎手はどうか。距離別の勝率を改めて確認すると、長距離戦では30%を超えているが、1200m以下は20%を割り込んでいることが分かる。

 実際に、ルメール騎手が国内のスプリントG1を勝利したのは、2019年と20年のスプリンターズSだけ。高松宮記念は海外競馬とバッティングすることも多く、騎乗回数自体が4回と少ないが、【0-1-1-2】と勝利がない。スプリントG1なら「川田<ルメール」という図式が成り立つといっても過言ではない。

◆白毛一族の物語も後押し、ママコチャG1制覇なるか

 近走はなかなか勝ち切れていないママコチャだが、この一族にはうれしいニュースもあった。ママコチャ自身は鹿毛だが、母がブチコなので、白毛一族の一員。つまり、白毛のアイドル、ソダシは1歳上の姉に当たる。

 そのソダシに第2子が誕生していたことが発表されたのが26日だった。ママコチャが高松宮記念で2つ目のG1タイトルを獲得し、姉の出産をお祝いすることができるか。今年の高松宮記念は、ナムラクレアじゃない方の7歳牝馬に注目したい。

文/中川大河

【中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。

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