
富士山が大規模噴火した場合、首都圏にも深刻な影響が出ると予想されているのが火山灰による被害です。
どのような対策をしたらよいのか。政府が新たな動画を公開しました。
【写真で見る】富士山が大規模噴火したら?内閣府作成イメージCGを見てみると…
いつ起きてもおかしくない「富士山大規模噴火」の被害想定高柳光希キャスター:
富士山は1707年以来、300年以上噴火していません。気象庁は、概ね過去1万年以内に噴火した火山を活火山と定めているので、富士山も噴火の可能性があると定義されています。
富士山が噴火した場合、広い範囲で「火山灰」による影響があります。
様々な場合が想定されますが、風向が南西の風の場合、東京・新宿でも10cmほど火山灰が積もる可能性があります。火山灰の総量は東京ドーム400杯分になる可能性もあるということです。
|
|
|
|
東京・新宿では、平日も多くの車や電車などが通っている場所は、火山灰が降り積もるとどんよりと暗くなる可能性があります。
東京・世田谷区を通る環状8号線は、交通量が非常に多い道路なので、車が通っている時間帯は渋滞して車が動けなくなってしまうことも想定されています。長いと2週間ほど、どんよりとした状態が続くことも考えられるそうです。
降り積もったものが巻き上げられることや雨の影響も考えられます。視界が悪くなる以外には、どのようなところに危険が潜んでいるのでしょうか。
重さは雪の5倍以上、深刻な健康被害も…火山灰の危険性TBS報道局社会部 災害担当 本杉美樹 記者:
火山灰は粒子がとても細かく、重いです。雪と比べて重さが5倍以上あり、火山灰が10cmとすれば、雪が50cm積もったような重みとなります。そのため、家屋などに大きく影響しますし、雨が降るとさらに重くなっていきます。
そして雪と違って溶けないので、除去をしなければいけません。また、側溝などに流してしまうと、側溝が詰まり新たな被害を生みます。
|
|
|
|
それから健康被害も問題になります。火山灰は主成分が「火山ガラス」と言われるガラス成分で非常に尖っているので、目についたり吸い込んでしまったりすると深刻な健康被害を及ぼすことになります。
井上貴博キャスター:
誰が火山灰を除去し、除去したものはどこに持っていくのかは決まっているのでしょうか。
TBS報道局社会部 災害担当 本杉 記者:
除去したものをどこに持っていくのかの仮置き場は、まだ具体的に決まっていません。これは今、国や各自治体が話し合って検討が進んでいるところです。
高柳キャスター:
自治体としてもできることをしていかなければならない状況ですが、個人単位でできることについても考えていきます。
【火山灰の量 生活に影響は?】
▼ステージ1(微量〜3cm):鉄道や飛行機など運休・欠航
▼ステージ2(3cm〜30cm 被害小):通路の通行・物資の供給が難しいことも
▼ステージ3(3cm〜30cm 被害大):物資供給が困難に、生活維持も厳しく
▼ステージ4(30cm以上):木造家屋が倒壊(降雨時)、命の危険も
|
|
|
|
一番重要なのは30cm以上積もった場合の「ステージ4」です。風向きが南西の想定だと、相模原より富士山側が該当します。火山灰が30cm積もると、雪だと150cm分に相当します。さらに、雨が降ると重くなるので、木造家屋が倒壊する可能性もあります。
また、傾斜地などに建っている家屋だと土石流の可能性もあるので、命の危険にさらされることも考えられます。
自分たちができる備えとして、皆さんはどんなことを対策されていますか。
タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん:
対策はできていないです。学校や幼稚園などで、火事や地震に対しては訓練していると思います。もし噴火が起きた場合、学校にいたとしても運動場に避難することはできないだろうし、親もどのように迎えに行くのかなどの想定ができていないなと今実感しました。
出水麻衣キャスター:
灰の上でどのような靴で歩いたらいいのか、マスクも通常の花粉症対策のものでいいのかなどもわからないので、改めて自分が無知で無防備だというのに気づかされます。
タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん:
義理の兄が消防士で、御嶽山が噴火したときに救助に入りました。その時に、上を向いても火山灰が降ってきて痛いし、下を向いてもその前の隊員が巻き上げた火山灰が目に入ってすごく痛かったと話していたので、怖いですね。
高柳キャスター:
どういった備えが必要かというと、基本的には地震と同じで「基本の防災セット」が必要です。
特に、飲食料品は1週間分くらいは備えておくといいかもしれません。他にもトイレットペーパー、懐中電灯、けがをしたとき用に包帯などがあると便利です。
そこに加えて、▼防塵マスク、▼防塵ゴーグル、▼スコップ、▼軍手、▼室外機の防塵カバーなどがあるとなお良いということです。
TBS報道局社会部 災害担当 本杉美樹 記者:
今、国などが推奨しているのは、「二人称防災」という考え方です。
「何人に被害が出ます」という三人称ですと他人事になりすぎますし、自分のことだと思うと後回しにしてしまってなかなかやらないということがあります。
ですが、大切な家族や両親、子どものためにと思うと防災を進めるということが多いと思います。
「家族が食べ物に困るのではないか」、「家族が生活に不自由するのではないか」、「それを防ぐためにはどんな対策をしたらいいのか」ということを一人一人が具体的にイメージをして、防災対策を進めてほしいと思います。
高柳キャスター:
自分だけではなく、自分を取り巻く色々なものに対して頭を巡らせておくということですね。
井上キャスター:
「正常性バイアス」は人間にあって当然で、それが心を守ってくれるということがあります。こうシミュレーション動画を見て、「どうせ大丈夫でしょ」「私は大丈夫」と思ってしまっても困りますし、報道を見て、買い占めが起きても困るわけです。
どういうバランスで皆さんに受け取っていただくかということを政府も苦慮しているわけですが、頭の体操という意味で、一人一人が「二人称防災」をするのはいい考えですね。
タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん:
これまで大地震などを色々と経験してきて、地震に対する対策は色々ととってきていると思うのですが、大規模な噴火はなかなか経験がないので、今シミュレーションをしている以上の想定外のことが出てくる可能性は大いにあると思います。だからこそ、シミュレーションできている範囲はしっかりと対策をしていかなければいけないですよね。
==========
<プロフィール>
本杉美樹
TBS報道局 社会部 災害担当
地震 火山 豪雨など幅広く取材
木下ゆーきさん
タレント・子育てインフルエンサー
3児の父
子育てモノマネ動画が人気
絵本「はぶらしロケット」出版
