
「天皇皇后両陛下のご体調は回復傾向にあります。いまは御所でお静かにお過ごしになっていると聞いています」
3月26日の定例記者会見で、黒田武一郎宮内庁長官は、そう説明した。皇室担当記者がこう話す。
「天皇皇后両陛下と愛子さまは3月25日・26日に岩手県・宮城県を訪問し、東日本大震災の復興状況などを視察される予定でした。岩手県大槌町や宮城県石巻市では、犠牲者に供花をされることになっていました。大震災から15年という節目であり、ご一家は、このご訪問について並々ならない意欲を示されていたのです。
ご準備の一環として、12日には山野謙・復興庁事務次官からご進講を受けられていました。両陛下も愛子さまも、山野事務次官の説明を熱心にメモを取りながら聞かれ、現状についての具体的な質問もされていたそうです」
そうした入念なご準備が進むなか、緊迫感が漂い始めたのはご出発6日前の19日のことだった。
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前出の皇室担当記者が続ける。
「天皇陛下に風邪の症状があるため、翌日に予定されていた宮中祭祀『春季皇霊祭の儀』『春季神殿祭の儀』に臨むのを取りやめられることが発表されたのです。同時に雅子さまにも風邪の症状があることが明らかにされました。
陛下は発熱もなく、この日も、皇居・御所で執務に臨まれました。祭祀の欠席は、侍医と相談して大事をとられてのことでした」
天皇陛下は、宮中祭祀にも熱心に臨まれており、体調不良による欠席は即位後初めてのこと。
「宮内庁職員も驚いていましたが、『それだけ岩手県・宮城県ご訪問を大事に思われているのでしょう。万全な体調で現地を訪れたいとお考えのようです』などと語っていました。
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ご訪問先の岩手県や宮城県では、ご一家を待ちわびる多数の声が上がっていました。天皇陛下も雅子さまも、そうした声に応えたいと非常に強く願われていたのです」(前出・皇室担当記者)
しかし出発前日の24日、ご一家のご訪問延期が発表されたのだ。
宮内庁関係者によれば、
「23日には天皇陛下のご体調が回復されたとの発表もあり、陛下と愛子さまは御所で宮内庁総務課長による被災地ご訪問直前の説明を受けられていたのです。ただ雅子さまには、せきの症状もおありとのことで、この説明にも欠席されていたため、私たちも心配していました。
ご訪問延期について、いちばん残念に思っているのは、ご準備を重ねてこられたご一家でしょう。延期にあたっては、“今回の御訪問を大切に考えておられ、延期となったことを心から残念と思われるとともに、これまで諸準備を整えてこられた岩手県・宮城県等の関係者への感謝のお気持ちをお持ちでいらっしゃいます”といった、ご一家のお気持ちも発表されています」
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実は東北ご訪問にあたっては、事前に2つの可能性が想定されていた。1カ月前の岩手県・宮城県からの発表には次のような一節があった。
《天皇皇后両陛下は、愛子内親王殿下を御同伴の上、東日本大震災復興状況御視察等のため、来る3月25日(水)から同月26日(木)まで岩手県及び宮城県へ行幸啓になります。なお、皇后陛下の御体調に支障がおありの場合、天皇陛下には愛子内親王殿下を御同伴の上、行幸になります》
つまり、天皇陛下と愛子さまお二人でのご訪問になることも想定されていたのだ。
■ご体調の回復を祈る被災者たちに感謝を
「23日夜の時点で、雅子さまは37度台の熱の症状をお持ちでした。ただ“陛下と愛子さまお二人で訪問される”という選択肢もあり、どうすべきかご家族で話し合われていました。
しかし陛下は、雅子さまの被災地へ寄り添う姿勢を間近にご覧になっていましたから、“いっしょに訪問できる機会を待ちたい”というご意向を示されたようです。
また愛子さまも同様のご意見でいらしたと伺っています。“被災地の皆さんは、お母さまも被災地にいらっしゃることを待ち望んでいます”“家族揃って訪問することで、災害の痛ましさを後世に伝えるという意義がより強まるのではないでしょうか”などと、真剣に再挑戦を訴えられたと聞いています」(前出・宮内庁関係者)
天皇ご一家のご決断について、皇室番組を長年手がけてきた放送作家・つげのり子さんはこう語る。
「天皇ご一家がお揃いで被災地を訪れられることで、被災者の方たちも、“いつもご一家皆さまで見守ってくださっている”と、皇室との絆をより強く感じることができるのではないでしょうか。
被災者のなかにはご家族を失った方もいます。それでもご一家の皆さまが自分たちに寄り添ってくださったということには、忘れられない癒しを感じると思います」
では天皇ご一家の“再挑戦”の時期はいつになるのだろうか。
「27日、天皇皇后両陛下は宮内庁を通じて、ご体調の早期回復を祈る被災者に対して感謝を示されました。体調を案じ、早期の訪問を願う被災者たちの様子を報道でご覧になったそうです。訪問に関しては両陛下も可能な限り早いタイミングで、とお考えです。夏になりますと、年配の被災者たちの負担にもなります。
ただ4月は福島県ご訪問や、春の園遊会があります。また6月にはオランダとベルギーを公式訪問されます。5月にも愛媛県での植樹祭ご臨席が予定されていますが、“その前後で何とかスケジュールを調整できないか”と希望されているそうです」(前出・宮内庁関係者)
薫風のなか、家族揃って犠牲者たちの魂に花を……、天皇ご一家は、その日を待ち望まれている。
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